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出生前遺伝学的検査の費用は医療費控除の対象外です治療に先だつ診療とは解されない——国税庁の質疑応答事例

2026-09-18 ・ 読了目安 4分

出生前遺伝学的検査の費用は医療費控除の対象外です|治療に先だつ診療とは解されない——国税庁の質疑応答事例

母体の血で胎児の染色体の異常を調べる出生前遺伝学的検査——その費用は医療費控除に入るのか。国税庁の質疑応答事例は対象外だと答えています。この記事では照会と回答を全文のまま載せ、答えの線を2行の表に分解しました。

質疑応答事例の全文

【照会要旨】

妊婦に対して行う母体血を用いた出生前遺伝学的検査(以下「本件検査」といいます。)の費用は医療費控除の対象になりますか。

[本件検査の概要]

本件検査は、妊婦から採血することにより行われ、母体の血液中に存在する胎児由来のDNA及び母体由来のDNAに含まれる遺伝情報を解析することにより、各染色体に由来するDNA断片の量の差異を求め、それらの比較から胎児の特定の染色体数的異常の診断に結びつけるものです。また、本件検査を行った結果、染色体の数的異常が発見されたとしても、それが治療につながるものではないとされています。

なお、本件検査を受けるかどうかは妊婦の任意とされています。

【回答要旨】

医療費控除の対象とはなりません。

医師又は歯科医師による診療等の対価として支払われるものは医療費控除に該当しますが、いわゆる人間ドックその他の健康診断のように疾病の治療を伴うものではないものは、医療費控除の対象とはなりません。しかし、健康診断の結果、重大な疾病が発見され、引き続きその疾病の治療を行った場合には、治療に先だって行われる診察と同様に考えることができますので、その健康診断のための費用も医療費控除に含まれます(所得税基本通達73−4)。

本件検査は、胎児の染色体の数的異常を調べるものであって、診断の一種であり、また、本件検査を行った結果、染色体の数的異常が発見されたとしても、それが治療につながらないとされていることからすると、本件検査は、妊婦や胎児の治療に先だって行われる診療等と解することはできません。

したがって、本件検査に係る費用は、医療費控除の対象となりません。

(国税庁 質疑応答事例「母体血を用いた出生前遺伝学的検査の費用」より)

頁の「関係法令通達」の欄は「所得税基本通達73−4」、注記は「令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています」です。

回答が引いている線は2行

事例の語
健診の費用が対象になる線「健康診断の結果、重大な疾病が発見され、引き続きその疾病の治療を行った場合には、治療に先だって行われる診察と同様に考えることができますので、その健康診断のための費用も医療費控除に含まれます(所得税基本通達73−4)」
本件検査は対象外「本件検査は、胎児の染色体の数的異常を調べるものであって、診断の一種であり、また、本件検査を行った結果、染色体の数的異常が発見されたとしても、それが治療につながらないとされていることからすると、本件検査は、妊婦や胎児の治療に先だって行われる診療等と解することはできません」

回答は2つの線で答えています。線を引くのは、その検査が「妊婦や胎児の治療に先だって行われる診療等」と解できるかです。健康診断でも、重大な疾病が見つかり引き続き治療を行った場合は治療に先だつ診察と同様に考えられるとされる一方、本件検査は治療につながらないとされているため、診療等と解することはできないと答えています。

この記事で扱っていないこと

  • 検査の精度や受けられる施設。頁には無いため、この記事でも書きません。
  • 人間ドックの費用の一般的な取り扱い。頁にあるのは健康診断の費用が医療費に含まれる場合の線のため、この記事でも一般化して書きません。

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出典

  • 国税庁 質疑応答事例「母体血を用いた出生前遺伝学的検査の費用」(令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成)

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/05/80.htm

(2026-09-18 取得。引用は照会要旨・回答要旨の全文。質疑応答事例一覧に置かれたこの事例の実在のリンクから辿りました)