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医療費控除の対象は「治療のためか」だけでは決まりません人間ドック・眼鏡・PCR検査——出典のQ&Aが示す3つの型

2026-09-16 ・ 読了目安 6分

医療費控除の対象は「治療のためか」だけでは決まりません|人間ドック・眼鏡・PCR検査——出典のQ&Aが示す3つの型

「治療のためにお金を使ったから医療費控除」とは書けません。 出典の質疑応答6問を並べると、対象になるかの決まり方は3つの型に分かれます——そのものが治療である型、あとで治療に入ったかで決まる型、そして医師の指示と書面が要る型。同じ「健康のための支出」でも、人間ドックとメタボ健診と眼鏡で条件の形が違います。この記事では国税庁タックスアンサー No.1122 の質疑応答のとおりに、6問を3つの型に整理します(医療費控除の入口の線は別の記事で扱います)。

3つの型(6問の並びから)

該当するもの条件
① そのものが治療レーシック・オルソケラトロジー
② あとで治療に入ったかで決まる人間ドック・健康診断・特定健康診査・PCR検査受けた時点では決まらない
③ 医師の指示と書面が要る治療のために必要な眼鏡処方箋の写し(省略時は5年保存)

(国税庁タックスアンサー No.1122 質疑応答より整理)

① そのものが治療——レーシックとオルソケラトロジー

この手術は、眼の機能それ自体を医学的な方法で正常な状態に回復させるものであり、それに係る費用は、医師の診療または治療の対価と認められますので、医療費控除の対象となります。

(同上・Q3(1)。(2)のオルソケラトロジーも同じ文で対象)

② 受けた時点では決まらない——人間ドック・メタボ健診・PCR検査

人間ドック・健康診断は、原則として対象になりません。ただし、

健康診断等の結果、重大な疾病が発見され、かつ、その診断等に引き続きその疾病の治療を行った場合には、その健康診断等は治療に先立って行われる診察と同様に考えることができますので、その健康診断等のための費用も医療費控除の対象になります。

(同上・Q1。所基通73-4)

メタボリックシンドロームの特定健康診査は、条件がさらに1つ増えます。診断の側の条件(「高血圧症、脂質異常症または糖尿病と同等の状態であると認められる基準に該当すると診断され」)に加えて、「引き続きその特定健康診査を行った医師の指示に基づき特定健康指導が行われた場合」が対象です(Q2。所規40の3)——健診に該当しただけでなく、保健指導まで行われたことが条件です。

PCR検査は、受けたきっかけで分かれます。

  • 医師等の判断により受けた場合:対象(ただし対象金額は自己負担部分に限り、公費負担の部分は対象外)
  • 自己の判断により受けた場合:対象外。ただし「『陽性』であることが判明し、引き続き治療を行った場合には」治療に先立つ診察と同様に扱われ、対象

③ 医師の指示と書面が要る——治療のための眼鏡

近視や遠視などのために日常生活の必要性に基づき購入されるものは、視力を回復させる治療の対価ではないので、医療費控除の対象とはなりません。

しかし、例えば、斜視、白内障、緑内障などで手術後の機能回復のため短期間装用するものや、幼児の未発達視力を向上させるために装着を要するための眼鏡などで、治療のために必要な眼鏡として医師の指示で装用するものは、医師による治療の一環として直接必要な費用ですので、医療費控除の対象となります。

(同上・Q3(3))

手続きの条件も付きます。「疾病名および治療を必要とする症状が記載された眼鏡の処方箋」の写しを確定申告書に添付するか提示が必要です。ただし「医療費控除の明細書の欄外余白などに『発行年月日、処方箋の名称及び医師の氏名等』を記載する」ことで添付等を省略でき、その場合は省略した処方箋の写しを医療費の領収書とともに5年保存します。

対象になるのに、書類が別口になる2つの問

海外の医師に払った治療費は対象です(Q4)。外国通貨で払った場合は、「その支払をした日における外国為替の電信売相場と電信買相場の仲値(TTM)」で円換算します。

先発医薬品を希望したときの「特別の料金」も対象です(Q6。令和6年10月以降)——「治療又は療養に必要な医薬品の購入の対価」と書かれています。ただし注に落とし穴が付きます。

上記の「特別の料金」は、保険適用外部分の金額であることから、マイナポータル連携により取得する「医療費通知情報」には、「特別の料金」の金額は含まれません(このため、医療費控除の申告においては、「特別の料金」に係る領収証を保存し、その領収証から「特別の料金」について明細書の作成が必要になります)ので、ご注意ください。

(同上・Q6注)

「マイナポータルで医療費の記録は全部取れる」とは読めません。特別の料金のぶんは、領収証の保存と明細書への作成が別に要ります。

間違えやすい3つの点

①「健康のための支出は全て対象外」とも「予防は対象」とも読まない。 健診は原則対象外ですが、疾病の発見と引き続きの治療で対象に変わります。受けた時点では決まらないのがこの型です。

②メタボ健診を「該当したら対象」と読まない。 診断と、医師の指示に基づく特定保健指導の2つがそろって対象です。

③市販の眼鏡を「メガネだから対象外」と読まない。 日常の必要性に基づく購入は対象外ですが、医師の指示による治療用の眼鏡は対象で、処方箋の写し(または明細書欄外の記載+5年保存)が手続きの条件です。

この記事で扱っていないこと

  • 「重大な疾病」の範囲(Q1 には定義がありません)
  • 治療用眼鏡の「短期間装用」の期間(Q3 には書かれていません)
  • 医療費控除の金額の計算そのもの(入口の記事の側にあります)
  • 対象となる医薬品の成分一覧・セルフメディケーション税制(別の案内ページの側にあります)
  • 医療費通知・明細書の様式の話(別の案内ページで扱われています)

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出典