お金と制度

遠隔地の病院までの旅費は「そこでしか治療できない理由」があれば医療費控除の対象になります近隣でも治療できるなら対象外——国税庁の質疑応答事例

2026-09-18 ・ 読了目安 3分

遠隔地の病院までの旅費は「そこでしか治療できない理由」があれば医療費控除の対象になります|近隣でも治療できるなら対象外——国税庁の質疑応答事例

遠くの大学病院までの旅費は医療費控除に入るのか——国税庁の質疑応答事例は、「そこでなければ治療できない理由」があるかで答えを分けています。この記事では照会と回答を全文のまま載せ、線を3行の表に分解しました。

質疑応答事例の全文

【照会要旨】

遠隔地のA大学病院でなければ治療ができない難病にかかった者が、主治医の指示によりA大学病院で治療を受けることになりました。この場合の自宅とA大学病院の間の旅費は、医療費控除の対象になりますか。

【回答要旨】

照会の場合は、原則として医療費控除の対象となります。

病状からみて近隣の病院でも治療できる場合の自宅と遠隔地にある病院の間の旅費は、医師等による診療等を受けるため直接必要なもので、かつ、通常必要な費用には当たらないので、医療費控除の対象とはなりません(所得税基本通達73-3)。

しかし、遠隔地のA大学病院でなければ治療ができないという相当の理由がある場合には、自宅とA大学病院の間の旅費は、原則として医療費控除の対象となります。

(国税庁 質疑応答事例「遠隔地の病院において医師の治療を受けるための旅費」より)

頁の「関係法令通達」の欄は「所得税基本通達73-3」、注記は「令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています」です。

回答が引いている線は3行

事例の語
照会の事例(そこでしか治療できない)は原則対象「照会の場合は、原則として医療費控除の対象となります」
近隣でも治療できるなら遠隔地までの旅費は対象外「病状からみて近隣の病院でも治療できる場合の自宅と遠隔地にある病院の間の旅費は、医師等による診療等を受けるため直接必要なもので、かつ、通常必要な費用には当たらないので、医療費控除の対象とはなりません」
「相当の理由」があれば原則対象に戻る「しかし、遠隔地のA大学病院でなければ治療ができないという相当の理由がある場合には、自宅とA大学病院の間の旅費は、原則として医療費控除の対象となります」

分かれ目は、遠隔地の病院でなければ治療ができないという「相当の理由」があるかです。病状からみて近隣の病院でも治療できるときは、遠くまでの旅費は「診療のため直接必要・通常必要」な費用には当たりません。

この記事で扱っていないこと

  • 「相当の理由」を病状や距離のどこで分けるかの基準。質疑の頁には基準が無いため、この記事でも書きません。
  • 通院に使う交通手段の種類(タクシー・自家用車など)の線。関連する記事で案内します。
  • 転地療養など、治療そのもの以外の目的の移動の線。関連する記事で案内します。

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出典

  • 国税庁 質疑応答事例「遠隔地の病院において医師の治療を受けるための旅費」(令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成)

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/05/49.htm

(2026-09-18 取得。引用は照会要旨・回答要旨の全文。質疑応答事例一覧に置かれたこの事例の実在のリンクから辿りました)