お金と制度

出産手当金は医療費控除の差し引きの対象になりません欠勤分の給与減額を補う給付で、医療費の補填の保険金等に当たらない——国税庁の質疑応答事例

2026-09-18 ・ 読了目安 4分

出産手当金は医療費控除の差し引きの対象になりません|欠勤分の給与減額を補う給付で、医療費の補填の保険金等に当たらない——国税庁の質疑応答事例

出産で会社を休んだ分として出産手当金を受け取った——医療費控除の計算で差し引く必要があるのか。国税庁の質疑応答事例は、差し引きの対象にならないと答えています。この記事では照会と回答を全文のまま載せ、答えの線を2行の表に分解しました。

質疑応答事例の全文

【照会要旨】

出産のために欠勤した場合に給付される出産手当金は、欠勤による給与等の減額を補填するために給付されるものですので、医療費を補填するための保険金等には当たらないと考えますがどうでしょうか。

【回答要旨】

照会の出産手当金は、医療費を補填するための保険金等には当たりません。

医療費控除額を計算する場合、医療費の補填に充てられる保険金や損害賠償金があるときは、その金額を支払った医療費の金額から差し引くこととされていますが(所得税法第73条第1項)、次のようなものは、この医療費を補填する保険金等には当たりません(所得税基本通達73-9)。

(1) 死亡したこと、重度障害の状態となったこと、療養のため労務に服することができなくなったことなどに基因して支払を受ける保険金、損害賠償金等

(2) 社会保険又は共済に関する法律の規定により支給を受ける給付金のうち、健康保険法の規定により支給を受ける傷病手当金又は出産手当金その他これらに類するもの

(3) 使用者その他の者から支払を受ける見舞金等(法令の規定に基づかない任意の互助組織から医療費の補填を目的として支払を受ける給付金を除きます。)

(国税庁 質疑応答事例「出産のために欠勤した場合に給付される出産手当金」より)

頁の「関係法令通達」の欄は「所得税法第73条第1項、所得税基本通達73-8(4)、73-9」、注記は「令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています」です。

回答が引いている線は2行

事例の語
出産手当金は医療費を補填する保険金等に当たらない「照会の出産手当金は、医療費を補填するための保険金等には当たりません」
出産手当金などは差し引きの対象にならない給付金として列挙されている「社会保険又は共済に関する法律の規定により支給を受ける給付金のうち、健康保険法の規定により支給を受ける傷病手当金又は出産手当金その他これらに類するもの」

回答は2つの線で答えています。線を引くのは、給付が「医療費を補填するための保険金等」かどうかです。医療費の補填に充てられる保険金や損害賠償金は医療費から差し引きますが、出産手当金や傷病手当金は、その差し引きの対象にならない給付金として通達に列挙されています。

この記事で扱っていないこと

  • 出産手当金の金額の計算や受給の手続き。頁には無いため、この記事でも書きません。
  • 出産育児一時金などほかの給付との調整。頁には無いため、この記事でも書きません。

関連する記事

出典

  • 国税庁 質疑応答事例「出産のために欠勤した場合に給付される出産手当金」(令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成)

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/05/27.htm

(2026-09-18 取得。引用は照会要旨・回答要旨の全文。質疑応答事例一覧に置かれたこの事例の実在のリンクから辿りました)