お金と制度

妻に退職所得があると配偶者特別控除は受けられない場合があります確定申告が不要でも合計所得金額に退職所得は含まれる——国税庁の質疑応答事例

2026-09-18 ・ 読了目安 4分

妻に退職所得があると配偶者特別控除は受けられない場合があります|確定申告が不要でも合計所得金額に退職所得は含まれる——国税庁の質疑応答事例

妻が会社を退職して再就職した。退職金は源泉徴収だけで確定申告はしていない。それでも配偶者特別控除は受けられるのか。国税庁の質疑応答事例は、退職所得も合計所得金額に数えて判断すると答えています。この記事では照会と回答を全文のまま載せ、答えの線を2行の表に分解しました。

質疑応答事例の全文

【照会要旨】

私の妻は、本年中に、これまで勤務していた会社を退職し、その後、別の会社に再就職しました。

本年における妻の所得金額は次のとおりですが、退職所得については、所得税の源泉徴収が行われており、妻は確定申告の必要はありませんので(所得税法第121条第2項)、私は、本年分の所得税の確定申告において、配偶者特別控除の適用を受けることができるものと考えますがいかがでしょうか。

妻の所得金額

1 給与所得・・・・・・(収入金額)160万円 (所得金額)105万円

※ 再就職先の会社において退職した会社の給与を含めて年末調整が行われています。

2 退職所得・・・・・・(収入金額)300万円 (所得金額) 30万円

【回答要旨】

配偶者特別控除の適用を受けることはできません。

配偶者特別控除の適用を受けるためには、配偶者の合計所得金額が133万円以下である必要があります(所得税法第83の2条第1項)。

この合計所得金額とは、純損失や雑損失の繰越控除の適用がないものとして計算した総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額をいい、所得税法第121条第2項の規定により確定申告書の提出が不要となる場合であっても、合計所得金額に退職所得金額が含まれることに変わりはありません。

なお、上記の総所得金額とは、次の(1)及び(2)の合計額(純損失及び雑損失の繰越控除後の金額)をいいます(所得税法第2条第1項第30号、第22条第2項)。

(1) 事業所得、不動産所得、給与所得、利子所得、配当所得、短期譲渡所得及び雑所得の金額の合計額(損益通算後の金額)

(2) 長期譲渡所得及び一時所得の金額の合計額(損益通算後の金額)の2分の1に相当する金額

本照会において、照会者の配偶者(妻)の本年における合計所得金額は、給与所得と退職所得の所得金額を合計した135万円となり、133万円を超えますので、照会者の本年分の所得税の確定申告において、配偶者特別控除の適用を受けることはできません。

(国税庁 質疑応答事例「退職所得がある場合の配偶者特別控除」より)

頁の「関係法令通達」の欄は「所得税法第2条第1項第30号、第22条第2項、第83の2条第1項、第121条第2項」、注記は「令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています」です。

回答が引いている線は2行

事例の語
結論の線「配偶者特別控除の適用を受けるためには、配偶者の合計所得金額が133万円以下である必要があります」
理由の線「所得税法第121条第2項の規定により確定申告書の提出が不要となる場合であっても、合計所得金額に退職所得金額が含まれることに変わりはありません」

回答は2つの線で答えています。1つ目は、配偶者特別控除を受けるには配偶者の合計所得金額が133万円以下である必要があるという線です。もう1つは、確定申告書の提出が不要な場合でも、合計所得金額に退職所得金額が含まれることに変わりはないという線です。この事例では給与所得の105万円と退職所得の30万円を合計した135万円133万円を超えるため、控除を受けられないと結ばれています。源泉徴収だけで終わる退職金を配偶者の所得から抜いて考えず、合計で線を引くのが、この事例の受け止めどころです。

この記事で扱っていないこと

  • 配偶者特別控除の金額。頁には無いため、この記事でも書きません。
  • 退職所得の金額の計算方法。頁には無いため、この記事でも書きません。

関連する記事

出典

  • 国税庁 質疑応答事例「退職所得がある場合の配偶者特別控除」(令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成)

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/05/85.htm

(2026-09-18 取得。引用は照会要旨・回答要旨の全文。質疑応答事例一覧に置かれたこの事例の実在のリンクから辿りました)