注文の多い料理店(宮沢賢治)あらすじ 7枚の扉、あなたは何枚目で気づく? |5分でわかる名作 #03
この話の要点
- 山奥の料理店「山猫軒」で、二人の紳士が7枚の扉の注文をたどる宮沢賢治の童話です。
- 転機は二人が注文の意味に気づく瞬間で、それまでに「変だ」と口に出した場面が5回あります。
- 「あなたは何枚目で気づく?」という問いが読み手に残ります。
動画
再生を押すと、YouTube の動画をこのページの中で読み込みます。 YouTube で見る
解説
動画の流れ
宮沢賢治『注文の多い料理店』のあらすじを、場面の順に、結末までまとめたページです。本文は章に分かれていないので、ここでは場面ごとに区切ってたどります。物語の中の事実と引用は、青空文庫の本文(図書カード No.43754・新字新仮名)で確かめ、引用にはどの場面の文かを添えます。結末まで扱います。先に物語を味わいたい方は、上の動画からどうぞ。読む時間のない方は、次の「30秒で分かるあらすじ」だけでも、話の骨組みがつかめます。
30秒で分かるあらすじ
- 山奥へ狩りに来た二人の若い紳士は、案内の猟師とはぐれ、二匹の犬も死んでしまいます。道に迷って腹をすかせた二人の前に、西洋料理店「山猫軒」があらわれます。
- 店には扉が7枚。開けるたびに、髪をきちんとする、クリームを塗る、と注文が書いてあり、二人は都合よく読んで従っていきます。
- 6枚目の扉の裏、塩をもみ込めという注文で、二人はやっと、自分たちが食べられる側だと気づきます。
- 死んだはずの犬が飛び込んでくると、店はけむりのように消えます。けれど、紙くずのようになった二人の顔は、もとに戻りませんでした。
登場人物
本文には、人の名前が一つも出てきません。
| 本文での呼び方 | どんな人 | 物語ですること |
|---|---|---|
| 二人の若い紳士 | イギリスの兵隊のかっこうで、鉄砲をかついだ狩りの客 | 扉の注文に、都合のいい説明をつけて従っていく |
| 白熊のような犬(二匹) | 二人が連れてきた大きな犬 | 山で倒れて死ぬが、最後に扉をつきやぶって飛び込んでくる |
| 専門の鉄砲打ち(猟師) | 二人を山へ案内してきた人 | 山奥でまごついて、はぐれる。最後に二人を見つけに来る |
| 扉の向こうの声 | 姿を見せない二つの声 | 札の書き方をこぼしながら、二人を「いらっしゃい」と呼ぶ |
| 親分(親方) | 札を書いた、店のかしら | 声の話では、ナフキンをかけ、ナイフを持って待っている |
場面ごとのあらすじ
ここから先は、結末の手前まで、話の順に書いています。
1. 山奥で、犬が死ぬ
イギリスの兵隊のかっこうをした二人の若い紳士(身なりのよい男の人)が、白熊のような犬を二匹つれて、山奥で狩りをしています。けれど、案内してきた専門の鉄砲打ち(猟師)も、まごついてどこかへ行ってしまい、山があんまり物凄いので、犬は二匹とも泡を吐いて死んでしまいます。
二人がまず口にしたのは、犬の値段でした。一人は「じつにぼくは、二千四百円の損害だ」、もう一人は「ぼくは二千八百円の損害だ。」(山奥の場面)。宿屋で山鳥(キジの仲間の鳥)を「拾円も買って帰ればいい」、そうすれば「結局おんなじこった」と、二人は山を下りようとしますが、帰り道がわかりません。風がどうと吹いてきて、草はざわざわ、木の葉はかさかさ、木はごとんごとんと鳴りました。
2. 西洋料理店「山猫軒」があらわれる
腹をすかせた二人が、ふとうしろを見ると、立派な西洋造りの家がありました。玄関の札には「RESTAURANT 西洋料理店 WILDCAT HOUSE 山猫軒」。一人は「おや、こんなとこにおかしいね。」と言いますが、もう一人が「看板にそう書いてあるじゃないか」と答え、二人は入っていきます。

1枚目の硝子(ガラス)の戸には、金文字で「どなたもどうかお入りください。決してご遠慮はありません」。二人はこれを「ただでご馳走するんだぜ。」と読んで大よろこび。戸の裏の「ことに肥ったお方や若いお方は、大歓迎いたします」には、「ぼくらは両方兼ねてるから」(玄関の場面)とはしゃぎます。
3. 扉の廊下を、奥へ
廊下を進むと、水いろのペンキ塗りの扉。「どうも変な家だ。」と一人が言うと、もう一人は「これはロシア式だ。」と答えます。扉には「当軒は注文の多い料理店ですから」とあり、二人は「なかなかはやってるんだ。」と読みました。
それから先は、扉を開けるたびに注文です。髪をきちんとして靴の泥を落とす。鉄砲と弾丸を置く。帽子と外套(オーバーコート)と靴をとる。眼鏡や財布などの金物を金庫にしまう。壺のクリームを顔や手足に塗る。頭に香水をふりかける。二人はそのたびに「よほど偉い人たちが、たびたび来るんだ」「何かの料理に電気をつかうと見える」などと、自分たちに都合のいい説明をつけて従います。
ふしぎな事も起きていました。そこにあったブラシを板の上に置くと、ブラシは「ぼうっとかすんで無くなって」しまい、二人は「びっくりして、互によりそって」次の室へ入ります(3枚目の扉の場面)。クリームの壺では、残ったクリームを、二人とも顔に塗るふりをしながら、こっそり食べました。香水は、どうも酢のような匂いがしました。
4. 6枚目の扉の裏で、気づく
6枚目の扉の裏には、大きな字でこう書いてありました。
いろいろ注文が多くてうるさかったでしょう。お気の毒でした。もうこれだけです。どうかからだ中に、壺の中の塩をたくさんよくもみ込んでください。
出典:宮沢賢治『注文の多い料理店』(青空文庫)6枚目の扉の裏の札。
二人はぎょっとして、クリームをたくさん塗った顔を見合わせます。「沢山の注文というのは、向うがこっちへ注文してるんだよ。」この店は、来た人に西洋料理を食べさせる店ではなく、来た人を西洋料理にして食べてしまう店だったのです。逃げようとしても、うしろの戸はもう少しも動きません。奥の扉には、銀いろのフォークとナイフの形と、大きなかぎ穴が二つ。そのかぎ穴から、二つの青い目玉がこちらをのぞいています。

結末(ネタバレにご注意)
ここからは物語の結末を、そのまま書きます。
扉の向こうでは、二つの声がこそこそ話しています。「だめだよ。もう気がついたよ。」「親分の書きようがまずいんだ。」そして二人を呼びます。「お皿も洗ってありますし、菜っ葉ももうよく塩でもんで置きました。」「それともサラドはお嫌いですか。そんならこれから火を起してフライにしてあげましょうか。」
二人は、あんまり心を痛めたために、顔がくしゃくしゃの紙くずのようになり、泣いて泣いて泣いて泣いて泣きました。
そのとき、うしろの扉をつきやぶって、あの白熊のような犬が二匹、飛び込んできました。かぎ穴の目玉はたちまち消え、犬が次の扉に飛びつくと、扉の向こうのまっくらやみで「にゃあお、くゎあ、ごろごろ。」という声がしました。部屋はけむりのように消え、二人は寒さにふるえて、草の中に立っていました。上着や靴や財布やネクタイピンは、枝にぶらさがったり、根もとに散らばったりしています。風がどうと吹いてきて、草はざわざわ、木の葉はかさかさ、木はごとんごとんと鳴りました。
「旦那あ、旦那あ」と呼ぶ声がして、簔帽子(わらで編んだ、頭からかぶる雨よけ)をかぶった専門の猟師が、草を分けてやってきます。二人はやっと安心し、猟師のもってきた団子を食べ、途中で十円だけ山鳥を買って東京に帰りました。
しかし、さっき一ぺん紙くずのようになった二人の顔だけは、東京に帰っても、お湯にはいっても、もうもとのとおりになおりませんでした。
出典:宮沢賢治『注文の多い料理店』(青空文庫)最後の一文。

7枚の扉と13の注文
扉は7枚、扉に書かれた注文は13あります(7枚の表と、1〜6枚目の裏。7枚目は表だけ)。下の表は、青空文庫の本文の札を短くまとめたものです。「→」の後は、その注文を台所の目で読み直した言葉で、この記事の読み方です。本文の言葉ではありません(本文に書いてあるのは「来た人を西洋料理にして、食べてやる家」まで)。
| 扉 | 表の札 → 台所の目で | 裏の札 → 台所の目で |
|---|---|---|
| 1 | どなたもお入りください | 太った方・若い方は大歓迎 → 太ったのも若いのも上等 |
| 2 | 注文の多い料理店です | 一々こらえてください |
| 3 | 髪をきちんと、泥を落として → 洗う | 鉄砲と弾丸を置いて → 武器をとる |
| 4 | 帽子・外套・靴をとって → 皮をむく | 眼鏡・財布・金物を置いて → 金物をのぞく |
| 5 | クリームを顔や手足に → クリームを塗る | 耳にもよく塗りましたか → 耳まで |
| 6 | 香水を頭に振りかけて → 酢をふる | 塩をからだ中にもみ込んで → 塩をもみこむ |
| 7 | さあさあおなかにおはいりください → いただきます | (裏の札は無い) |

札の言葉を、そのまま三つだけ引きます。
- 2枚目の扉の表: 「当軒は注文の多い料理店ですからどうかそこはご承知ください」
- 6枚目の扉の表: 「料理はもうすぐできます。十五分とお待たせはいたしません。すぐたべられます。早くあなたの頭に瓶の中の香水をよく振りかけてください。」
- 7枚目の扉の表: 「いや、わざわざご苦労です。大へん結構にできました。さあさあおなかにおはいりください。」
6枚目の表の「すぐたべられます」は、「すぐ食べることができます」とも、「(あなたが)すぐ食べられます」とも読めます。扉の色は、1の硝子・2の水いろ・4の黒が本文どおりで、図のほかの扉の色は、絵のために決めたものです。
二人は、なぜ塩の注文まで気づかなかった?
二人が気づいたのは、6枚目の扉の裏、塩の札を読んだ時でした。それまでに、二人には、変だと思って口に出した場面が5回ありました。「変だ」という同じ言葉を5回言ったのではなく、言い方は場面ごとに違います。そして、そのたびに、もう一人が都合のいい説明をつけていました。
- 看板の前: 「おや、こんなとこにおかしいね。」→「もちろんできるさ。看板にそう書いてあるじゃないか」
- 2枚目の扉の表: 「どうも変な家だ。どうしてこんなにたくさん戸があるのだろう。」→「これはロシア式だ。寒いとこや山の中はみんなこうさ。」
- 2枚目の扉の裏: 「これはぜんたいどういうんだ。」→「注文があまり多くて支度が手間取るけれどもごめん下さいと斯ういうことだ。」
- 5枚目の扉の表: 「クリームをぬれというのはどういうんだ。」→「室のなかがあんまり暖いとひびがきれるから、その予防なんだ。」
- 6枚目の扉の表: 「この香水はへんに酢くさい。どうしたんだろう。」→「まちがえたんだ。下女が風邪でも引いてまちがえて入れたんだ。」
最初の1回は、店に入る前の、看板の前でした。
二人は、注文を、えらい人が来ている店だからだ、とも読みました。本文の「偉い」「えらい」は4回で、どれも二人のせりふです(3枚目の扉の表と裏、4枚目の表、5枚目の表)。5枚目の扉の前では、「案外ぼくらは、貴族とちかづきになるかも知れないよ。」とまで言っています。
さかのぼれば、いちばん初めのガラスの戸の「決してご遠慮はありません」も、二人は「ただでご馳走するんだぜ。」と読んでいました。消えたブラシのように、口には出さなかった手がかりもありました。二人はいつも、注文を、自分たちに都合のいい方へ読んでいたのです。
物語の形と、同じ風の一文
本文を字数で区切ると、店があらわれるまでが15.7%、店を見つけてから塩の注文まで(看板の前・玄関・扉が続く廊下)が50.9%、気づいてから最後までが33.4%です。物語のほぼ半分が、店を見つけてから塩の注文までの場面です。

そして、店があらわれる前(本文の12.6%の所)と、店が消えた後(94.8%の所)に、まったく同じ一文があります。
風がどうと吹いてきて、草はざわざわ、木の葉はかさかさ、木はごとんごとんと鳴りました。
出典:宮沢賢治『注文の多い料理店』(青空文庫)山奥の場面と、店が消えた後の場面。
一字も違いません。店の入口と出口に置かれた、額縁のような一文です。
もう一つ。「山猫」という言葉は、物語の中で、看板の「山猫軒」の1回しか出てきません(「猫」の字も、この1回だけです)。店のひみつの手がかりは、はじめから看板にあったのです。それを見た二人は、「看板にそう書いてあるじゃないか」と言って入っていきました。
本の広告に書かれた、この話の説明
初版の本が出た時の広告ちらしには、収められた話の一つ一つに短い説明が付いています。名前は書かれていませんが、賢治が書いたと考えられている文です。『注文の多い料理店』の説明は、こうです。
二人の青年紳士が猟に出て路を迷い、「注文の多い料理店」にはいり、その途方もない経営者からかえって注文されていたはなし。糧に乏しい村のこどもらが、都会文明と放恣な階級とに対するやむにやまれない反感です。
出典:『注文の多い料理店』新刊案内(初版本刊行時の広告ちらし・青空文庫 No.43734)。
言葉の意味は、次のとおりです。
- 糧(かて): 食べ物
- 放恣(ほうし): 気ままで、しまりがないこと
- 階級: 社会の中の身分や層
- やむにやまれない: どうにもおさえられない
つまり「食べ物の少ない村の子どもたちが、都会の文明と、好き勝手にふるまう人たちに向ける、おさえられない反感」です。

広告の前半は、この話を「その途方もない経営者からかえって注文されていたはなし」と書いています。犬の死まで値段で数えた都会の紳士を、山の店が、かえって料理しかけたのです。「村のこどもら」がこの話をどう読んだかは、ここでは書きません。あなたはどう読みますか。
この本は、12冊の「イーハトヴ童話」のシリーズの1冊目として出るはずでした(広告には「その十二巻のセリーズの中の第一冊」とあります)。けれど、出たのはこの1冊だけでした。
犬の値段は、この本の何冊分?
物語の二人は、死んだ犬を「二千四百円の損害」「二千八百円の損害」と言いました。一方、この童話集の初版の定価は1円60銭でした。
- 犬1匹(2,400円)÷ 本の定価(1円60銭)= 1,500冊
- もう1匹(2,800円)なら1,750冊。2匹(5,200円)で3,250冊
- 初版は1,000部しか刷られませんでした。定価で全部買っても1,600円で、犬1匹の値段に800円届きません

この本は『赤い鳥』に広告が載りましたが、話題にならず、あまり売れませんでした。出版社が困ったため、賢治は父から借金をして、200部を買い入れました(花巻市の資料)。
比べ方の条件: 物語の値段は、二人が自分で言った「損害」です。本の値段は1924年の定価です。どちらも大正時代の円なので、同じお金の単位どうしで比べています。今のお金には直していません(物価の指数の選び方で答えが大きく変わるためです)。また、物語は1921年に書かれ、本は1924年に出たので、賢治がこの比べを考えて書いたわけではありません。
この作品について
『注文の多い料理店』は、宮沢賢治(1896〜1933年、岩手県花巻の生まれ)の童話です。1924(大正13)年12月1日に出た童話集『注文の多い料理店』の、題にもなった話です。この童話集には9つの話が入っていて、賢治が生きている間に出た童話集は、この一冊だけでした(花巻市の資料)。作品そのものは、1921年に書かれました。
小学5年の国語の教科書(東京書籍)で長く読まれてきた作品です。本文は約5,400字、原稿用紙17枚ほどの短い話です。
読み解きの問い
- 二人の心は、変わったのでしょうか。 二人の顔は、もとに戻りませんでした。けれど帰り道では、山を下りる前に「山鳥を拾円も買って帰ればいい」「そうすれば結局おんなじこった」と話していたとおり、山鳥を買って帰りました。本文は、二人が何を思ったかを書いていません。
- 死んだはずの犬は、なぜ助けに来たのでしょう。 山で「泡を吐いて死んでしまいました」と書かれた犬が、扉をつきやぶって飛び込んできます。本文は、そのわけを説明していません。
- あなたは、何枚目の扉で気づきましたか。 上の表の札を、1枚目から順に読み直してみてください。二人の説明が、どの札からおかしく聞こえ始めるでしょうか。
よくある問い
『注文の多い料理店』は、どんな話ですか?
山奥で道に迷った二人の若い紳士が、西洋料理店「山猫軒」に入り、扉ごとの注文に従っていくうちに、自分たちが料理される側だと気づく話です。最後は助かりますが、心を痛めて紙くずのようになった顔は、もとに戻りませんでした。
山猫軒の正体は、山猫ですか?
本文は、店の主が何者かを、はっきりとは書いていません。手がかりは、看板の「山猫軒」(「山猫」という言葉は、本文でこの1回だけ)と、犬が奥の扉に飛び込んだ後の「にゃあお、くゎあ、ごろごろ。」という声です。
扉はいくつ、注文はいくつありますか?
扉は7枚、注文は13です。7枚の扉の表と、1〜6枚目の扉の裏に書いてあり、7枚目の扉には表の札しかありません。
「注文の多い」とは、どういう意味ですか?
二人ははじめ、お客の注文が多くて支度が手間取る店だ、と読みました。けれど6枚目の扉の裏で「沢山の注文というのは、向うがこっちへ注文してるんだよ。」と気づきます。注文していたのは、店の方でした。
二人の紳士は、最後にどうなりましたか?
犬が飛び込んでくると店は消え、二人は草の中に立っていました。猟師に見つけてもらい、山鳥を買って東京に帰りますが、紙くずのようになった顔だけは、お湯に入っても、もとのとおりになおりませんでした。
死んだ犬は、なぜ戻ってきたのですか?
本文は、そのわけを書いていません。山で泡を吐いて死んだと書かれた白熊のような犬が、最後に「わん、わん、ぐゎあ。」と扉をつきやぶって飛び込んできます。
いつ書かれた作品ですか?
1921年に書かれ、1924年12月1日に、同じ題の童話集の一編として出ました。この童話集は、宮沢賢治が生きている間に出たただ一つの童話集です。
原文はどこで読めますか?
青空文庫で無料で読めます。本文は約5,400字の短い話です。次の節で、どこから読むかを案内します。
原文(青空文庫)への道案内
青空文庫の図書カード(No.43754)を開き、「いますぐXHTML版で読む」から本文に入れます。スマホでも読めます。
- どこから読むか: 結末を知った今なら、玄関の硝子戸の札から読み返すのがおすすめです。札の一枚一枚を、二人の読み方と、台所の目の読み方の両方で読むと、同じ文がまったく違って見えます。
- 長さ: 本文は約5,400字、原稿用紙17枚ほど。一度に読み切れる短さです。
- どの版か: このページは、新潮文庫を底本とする青空文庫の本文(新字新仮名)に基づきます。昔のかなづかいで読むなら、新字旧仮名の版(No.1927)もあります。
- 本のほかの文: 初版の広告ちらしは新字新仮名(No.43734)と旧字旧仮名(No.43733)、本のはじめの「序」はNo.43736で読めます。
- 英語で読むなら: ジョン・ベスター訳 "The Restaurant of Many Orders"(短編集 Once and Forever: The Tales of Kenji Miyazawa に入っています)があります。
ショート
出典
動画とこのページで使った事実・数字の出どころです。
参考にした文献
- 絵と図: タメラボのオリジナル(初版の表紙と挿絵は使っていません)。扉の注文を「台所の目で読み直す」朱の判は、この記事の読み方です。
リンク
- 宮沢賢治『注文の多い料理店』青空文庫 図書カード No.43754(底本: 新潮文庫)(あらすじ・登場人物・引用のすべての根拠。字数・扉と札・「偉い」「山猫」・風の一文・場面の割合も、この本文を数えました)aozora.gr.jp/cards/000081/card43754.html
- 『注文の多い料理店』新刊案内(初版本刊行時の広告ちらし)青空文庫 No.43734(広告の説明文と「十二巻のセリーズ」)aozora.gr.jp/cards/000081/files/43734_17913.html
- 花巻市 定例記者会見資料「『注文の多い料理店』初版本(大正13年発刊)の寄贈について」(2024年2月20日)(9編・生前唯一の童話集・1,000部・定価1円60銭・売れ行き・200部・12巻の構想)city.hanamaki.iwate.jp/_res/projects/default_project/_page_/00…
- 新潮文庫『注文の多い料理店』の紹介(生前唯一の童話集)shinchosha.co.jp/book/109206
- コトバンク「注文の多い料理店」(デジタル大辞泉プラス「作品は1921年の作」)kotobank.jp/word/注文の多い料理店-100361
- 藤井義博「宮澤賢治の〝注文の多い料理店"と〝山男の四月"の相補性」『藤女子大学人間生活学部紀要』53号(2016)(広告ちらしは賢治が書いたと思われる)fujijoshi.repo.nii.ac.jp/record/873/files/KJ00010243262.pdf
- 井上功太郎「国語教科書における「作者=宮沢賢治」の位置」(美作大学、2024)(東京書籍の小学校国語教科書)mimasaka.repo.nii.ac.jp/record/2000067/files/20240110001.pdf
- 新字旧仮名の版(No.1927)aozora.gr.jp/cards/000081/card1927.html
- 新字新仮名(No.43734)aozora.gr.jp/cards/000081/card43734.html
- 旧字旧仮名(No.43733)aozora.gr.jp/cards/000081/card43733.html
- No.43736aozora.gr.jp/cards/000081/card43736.html
