こころ(夏目漱石)あらすじ 先生は、何を隠していた? |5分でわかる名作 #08
この話の要点
- 先生を慕う青年に届いた長い手紙で、先生が若い日に親友Kと同じ娘を好きになった過去を明かす話です。
- 先生はKの恋の告白に自分の思いを言えず、Kの信条で恋を止め、Kに知らせないまま娘の母に求婚します。
- 先生は妻だけには過去を知らせないよう頼みます。秘密を守ることは、相手を守ることなのかを問いかけます。
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解説
動画の流れ
この記事は結末まで扱い、自死に触れます。
夏目漱石の『こころ』は、学生の「私」が、「先生」と呼んで慕う年上の男性と出会う話から始まります。先生は親切ですが、自分の過去だけは語りません。その過去を明かすのが、物語の後半に届く先生の長い手紙です。青空文庫の本文をもとに、あらすじから結末、読みどころまでをまとめました。章名のリンクから原文へ移れます。
- 作品:夏目漱石『こころ』。1914(大正3)年4月20日〜8月11日、朝日新聞に連載。
- 構成:上「先生と私」36章、中「両親と私」18章、下「先生と遺書」56章の全110章。
30秒で分かるあらすじ
鎌倉で先生と知り合った青年は、東京の先生の家に通うようになります。先生は毎月友人の墓に参りますが、自分の過去は語りません。大学を卒業した青年が故郷で父を看病していると、先生から厚い手紙が届きます。
手紙で先生は、下宿先のお嬢さんを、自分も親友Kも愛したこと、Kの迷いにつけこんで恋を止め、Kに知らせないまま母に結婚を申し込んだことを明かします。Kは自ら命を絶ち、先生は結婚しても罪の意識から逃れられませんでした。明治の終わり、先生は死を決意し、その過去を青年にだけ書き残したのです。
登場人物
私(青年) 上と中の語り手。鎌倉で先生と知り合った学生で、上の終わりに大学を卒業します。名前は出てきません。
先生 青年が慕う年上の男性。学校の先生ではなく、年上の人を「先生」と呼ぶ青年の口癖から始まった呼び名です(上 三)。大学を出ていますが仕事はせず、妻と静かに暮らしています。下では手紙の書き手として「私」と名乗ります。
静(先生の妻) 上で「奥さん」と呼ばれる先生の妻で、名前は静(しず)です(上 九)。夫が変わった理由を知りたがっています(上 十八〜十九)。下の手紙に出てくる下宿の「お嬢さん」は、若いころの静です。
K 先生の幼なじみで親友。寺に生まれ、医者の家の養子になりましたが、養家の望みとは違う道を選びます。先生の手紙の中にだけ登場します(下 十九)。
奥さん(下宿の未亡人・静の母) 下で先生が下宿する家の主人。軍人の未亡人(みぼうじん・夫を亡くした女性)で、一人娘と暮らしています。先生の母親ではありません。
青年の父・母・兄 父は腎臓(じんぞう)の病気で、中で容体が重くなります。母は、先生が息子の勤め口を世話してくれると思いこみます。兄は九州で働いています。ほかに嫁いだ妹がいます。
先生の叔父 先生の父の弟。両親を亡くした先生の世話を引き受けますが、財産をごまかします(下 三〜九)。
読むときのコツ:上・中の「私」は青年、下の「私」は先生です。上の「奥さん」は先生の妻(静)、下の「奥さん」は下宿の未亡人(静の母)です。
上「先生と私」のあらすじ
上は、青年が先生と過ごした日々を、先生の死後に振り返って語る部分です(上 四)。
上 一〜四 鎌倉で出会う
夏休みの鎌倉の海で、青年は一人の男性が落とした眼鏡を拾い、やがて親しくなります。青年が思わず「先生」と呼びかけたのが、この呼び名の始まりでした。東京で先生の家を訪ねると、美しい奥さんが、先生は毎月この日に雑司ヶ谷の墓地へ花を供えに行くのだと教えてくれます。
上 五〜七 友達の墓と「淋しい人間」
墓地まで追いかけた青年に、先生は、そこに友達の墓があると明かしますが、それ以上は話しません。墓参りへの同行も、理由は話せないと断ります。先生は自分を淋しい人間だと言い、青年もいずれ自分から離れていくだろうと予言します。
上 八〜十三 妻・静と、謎めいた言葉
青年は奥さん(静)とも親しくなります。仲の良い夫婦に見えますが、先生は子どもができないのは天罰だと笑い、夫婦げんかの後には、妻は自分を誤解していると青年にもらします。奥さんは、先生は若いころはあんな人ではなかったと言います。花見の帰りには、先生は、恋は罪悪で、しかも神聖なものだ、と謎のようなことを口にします。
上 十四〜二十 自分さえ信じられない先生
先生は、人間全体を信用していないと言います。奥さんも信用しないのかと聞かれ、こう答えます。
「私は私自身さえ信用していないのです。」(上 十四)
ある晩、留守番に来た青年に、奥さんは打ち明けます。先生が大学にいたころ、仲の良い友達が急に亡くなり、それから先生は変わっていった。けれど本当の理由は分からず、自分のせいではないかと苦しい、と。
上 二十一〜三十一 父の病気と、過去を話す約束
冬、父が腎臓の病気で倒れ、青年は一度帰省します。初夏、郊外を散歩した日に、先生はめずらしく強い調子で語ります。親が元気なうちに財産を分けてもらっておきなさい。ふだんの善人も、いざという時に悪人に変わる。自分は血のつながった親戚にだまされたのだ、と。過去を知りたいと迫る青年に、先生は、死ぬ前に一人でいいから他人を信用して死にたいと言い、時機が来たら残らず話すと約束します。
上 三十二〜三十六 卒業と、九月の約束
六月、大学を卒業した青年は、先生の家で祝いの夕食をとります。先生は、自分が死んだら、とくり返して奥さんにたしなめられます。九月の再会を約束して、青年は故郷へ帰ります。
中「両親と私」のあらすじ
中は、故郷での青年と、病気の父、母、兄の日々を描きます。
中 一〜五 卒業を喜ぶ父と、明治天皇の病気
父は、自分が生きているうちに息子が卒業したことを心から喜びます。卒業祝いは明治天皇の病気の知らせで取りやめになり、やがて天皇が亡くなる(崩御・ほうぎょ)と、父は自分の病気と重ねるように沈みこみます。
中 六〜十一 返事をくれない先生
母に勧められ、青年は勤め口の世話を頼む手紙を先生に送りますが、返事は来ません。九月、東京へ発つ直前に父が倒れ、青年は出発を延ばします。
中 十二〜十五 乃木大将の死と、二通の電報
父は新聞で乃木大将の死を知ります。先生からは、ちょっと会いたいが来られるか、という意味の電報が届きます。青年が断りの返電と手紙を出すと、続けて、来なくてもよい、という電報が届きます。
中 十六〜十八 分厚い手紙と、三等列車
父の意識がとぎれがちになったころ、兄が一通の書留(かきとめ)を黙って手渡します。先生からの分厚い手紙でした。看病の合間に頁をめくった青年は、終わり近くの一文に目をとめます。
「この手紙があなたの手に落ちる頃には、私はもうこの世にはいないでしょう。」(中 十八)
青年は医者の家へかけこみますが、留守でした。そのまま駅へ急ぎ、母と兄にあてた短い手紙を車夫に託して、東京行きの汽車に飛び乗ります。そして三等列車の中で、ようやく手紙を始めから終わりまで読みました。
下「先生と遺書」のあらすじ
下は、先生が青年にあてた長い手紙そのもので、ここでの「私」は先生です。部の名にある遺書(いしょ)とは、死ぬ前に残す手紙のことです。
下 一〜二 なぜ、あなたにだけ書くのか
先生は、返事を出さなかったことをわびた後、何千万といる日本人の中で、ただ青年にだけ過去を語りたいと書きます。青年が真面目に、人生から生きた教訓を得たいと言ったからです。
下 三〜九 両親の死と、叔父の裏切り
先生は二十歳になる前に両親を病気で相次いで亡くし、父の弟である叔父に後を任せて東京の学校へ進みました。帰省すると叔父は結婚を勧め、自分の娘(先生のいとこ)を妻にするよう求めます。先生が断り、三度目の夏に叔父一家の変化に気づいて調べると、叔父は財産をごまかしていました。先生は残りを受け取ってお金に換え、故郷を捨てます。学生が暮らすには十分以上の額でしたが、この時から先生は人を信じられなくなります。
下 十〜十八 下宿の母娘と、お嬢さんへの恋
東京で先生は、軍人の未亡人と一人娘の家に下宿し、お嬢さんを信仰に近い気持ちで愛するようになります。一方で、奥さん(未亡人)が娘を近づけようとするのは叔父と同じような策略ではないかと疑い、結婚を申し込めずにいます。
下 十九〜二十四 親友Kを下宿に迎える
Kは同郷の幼なじみです。寺の次男に生まれ、医者の家の養子になりましたが、医者にはならないと決めて上京しました。精進(しょうじん・一つの道に打ちこんで励むこと)という言葉を好み、道のためなら養父母をあざむいても構わないと言うKに、先生も賛成しました。やがて本当のことを打ち明けたKは、養家からも実家からも突き放され、働きながら学ぶうちに心身ともに疲れきります。先生は、反対する奥さんを説き伏せて、Kを同じ下宿に住まわせます。
下 二十五〜三十一 打ち解けるKと、芽ばえる嫉妬
先生は奥さんとお嬢さんに、Kとなるべく話をしてほしいと頼みます。Kが打ち解けていくのを喜んだのもつかの間、Kとお嬢さんが二人で話す姿に、先生は嫉妬(しっと)を覚えます。夏の房州(ぼうしゅう)の旅で、Kは、精神的な向上心のない者はばかだ、と先生をやりこめます(下 三十)。
下 三十二〜三十九 Kの告白
正月、奥さんとお嬢さんが出かけていた日、Kは重い口を開き、お嬢さんへの切ない恋を先生に打ち明けます。先生は石のように固まり、何も言えません。自分も同じ人を愛していると言う時機を、先生は逃してしまいます。
下 四十〜四十三 上野公園で、言葉を投げ返す
Kは先生を上野公園の散歩に誘い、恋に迷う自分をどう思うかとたずねます。進むか退くか迷い、苦しいと言うKに、先生は、旅先でK自身が言った言葉を投げ返しました。
「精神的に向上心のないものは馬鹿だ」(下 四十一)
先生によれば、Kには、道のためにはすべてを犠牲にすべきで、恋でさえ道のさまたげになる、という第一の信条がありました。これはK自身の信念で、男女のことについては生家の宗派の教えに近いものではなかった、と先生は書いています。先生はそれを使ってKの恋をふさごうとしたのであり、自分の利益だけを考えた言葉だったと認めています。
口先でなく心でやめる覚悟はあるのかと迫る先生に、Kは独り言のように答えました。
「覚悟、――覚悟ならない事もない」(下 四十二)
その夜、Kは二人の部屋の間の襖(ふすま)を開けて、寝ていた先生の名を呼びました。
下 四十四〜四十七 Kに言わないまま、母に申し込む
先生は「覚悟」を、お嬢さんに向かって進むKの決意だと受け取りました。先を越されまいとした先生は、一週間後に仮病(けびょう)を使って家に残り、Kとお嬢さんの留守に、奥さんにお嬢さんを妻にほしいと申し込みます。奥さんはすぐに承知し、本人がいやがるところへ娘をやるはずがない、とも言いました。
帰宅した先生に、何も知らないKは、病気はもういいのかと声をかけます。先生は手をついて謝りたくなりますが、その気持ちは押しとどめられてしまいます。数日後、Kは婚約を、先生からではなく奥さんから知らされました。奥さんによれば、Kは落ち着いた様子で、おめでとうございます、と言ったそうです。
下 四十八〜五十 取り返しのつかない夜
その後も、先生に対するKの態度は変わりませんでした。先生は、策略では勝っても人間としては負けた、と感じます。Kの前に出るべきか迷い、ともかく翌日まで待とうと決めたのは土曜の夜でした。その晩、Kは自ら命を絶ちました。婚約を聞いた晩のことではありません。
夜明けが近いころ、先生は薄暗いランプのともるKの部屋で、自分あての手紙を見つけます。意志が弱く将来の望みがないから死ぬということ、礼と後の頼み、そして、もっと早く死ぬべきだったのになぜ今まで生きていたのだろう、という意味の言葉がありましたが、お嬢さんの名前はどこにもありませんでした。先生は、自分に不利なことが書かれていないのを見て、まず助かったと思ったと正直に書いています。Kは生前に気に入っていた雑司ヶ谷に葬られ、先生は月々その墓の前で懺悔(ざんげ)を新たにしようと決めます。
下 五十一〜五十四 結婚しても消えない影
卒業して半年もたたないうちに、先生はお嬢さんと結婚します。妻(静)の言い出しで二人でKの墓に参った時、何も知らない妻の横で、先生は心の中で自分が悪かったとくり返すばかりでした。それ以来、妻とはKの墓参りをしないと決めます。妻の記憶に暗い一点を残すことに耐えられず、打ち明けることもできません。叔父を憎んできた先生は、自分もあの叔父と同じ人間だと気づき、自分にも愛想をつかして動けなくなります。
先生はKの死の理由を、初めは失恋と決めていましたが、のちには孤独を疑い始めます。妻の母が亡くなった後、先生は、死んだつもりで生きていこうと決めました。それでも夫婦は不幸ではなく幸福だった、と先生は書いています。
結末(ネタバレ注意)
ここから先は、先生の手紙の最後(下 五十五〜五十六)と、物語の終わり方を書きます。
下 五十五〜五十六 明治の終わりと、先生の決意
先生は、何かをしようとするたびに得体の知れない力に押さえつけられ、死の道だけが開いているように感じながらも、妻を思って踏みとどまってきました。夏の暑い盛りに明治天皇が亡くなると、先生は、明治の精神が天皇に始まって天皇に終わったように感じ、自分たちが生き残っているのは時勢遅れだと思います。妻は笑って、それなら殉死(じゅんし・主君などの死を追って自ら死ぬこと)でもしたらよかろうとからかい、先生も冗談で、殉死するなら明治の精神に殉死するつもりだと答えました。
約一か月後、天皇の葬儀(大葬・たいそう)の夜に鳴った号砲は、陸軍の軍人だった乃木大将(国立国会図書館「近代日本人の肖像」)が世を去った知らせでもありました。先生は新聞で、西南戦争で敵に旗を奪われて以来、申し訳に死のうと思いながら今日まで生きてきた、という意味の乃木大将の書き残しを読みます。そして、死を思いながら生きた三十五年と死の一瞬と、どちらが苦しかっただろうと考えます。これは先生の読み取りです。先生自身、乃木大将の死んだ理由はよく分からない、と書いています。その二、三日後、先生は自ら死ぬことを決心しました。
手紙の最後の頼み
先生は、妻の知らない間にこの世からいなくなるつもりだと書きます。十日以上かけて書いたこの手紙は、青年との約束のためだけでなく、
「半ば以上は自分自身の要求に動かされた結果」(下 五十六)
だといいます。そして、自分の過去を善悪ともにほかの人の参考にしてほしいと書いたうえで、例外を一つ置きました。
「しかし妻だけはたった一人の例外だと承知して下さい。」(下 五十六)
妻の記憶を、なるべく純白に保ってやりたい。だから自分の死後も、妻が生きている間は、すべてを胸にしまっておいてほしい。手紙はこの頼みで終わり、小説『こころ』も、この手紙で終わります。
描かれずに残るもの
汽車に乗った青年のその後も、父の最期も描かれません。ただ上の語りの中で青年は、先生がすでに亡くなったこと(上 四)、奥さんは今もあの悲劇を知らずにいること(上 十二)を書いています。
読み解きの問い
問い1 先生は、なぜ青年にだけ過去を書いたのでしょうか?
手がかり:一人でいいから他人を信用して死にたいと言う上 三十一、青年が真面目だからと書く下 二、自分自身の要求を明かす下 五十六。
問い2 「覚悟」という言葉を、二人はそれぞれどう受け取ったのでしょうか?
手がかり:言葉が出てくる下 四十二、その夜の襖の場面(下 四十三)、自分は片眼だったと振り返る下 四十四、そしてKの手紙の文面(下 四十八)。
問い3 妻を例外にしたのは、妻を守るためでしょうか?それとも、妻を遠ざけることにもなったのでしょうか?
手がかり:理由を知りたがる静(上 十八〜十九)、打ち明けない理由(下 五十二)、妻には自分の一点が暗く見えたらしいと書く下 五十四、手紙の最後(下 五十六)。
問い4 先生の死は、時代のためでしょうか、先生自身のためでしょうか?
手がかり:明治の精神と時勢遅れ(下 五十五)、時代の移り変わりと生まれつきの性格という、先生自身の二つの説明(下 五十六)。そして、現代に生まれた者はみな淋しさを味わう、という上 十四の先生の言葉。
よくある問い
『こころ』の「先生」とは誰ですか?
鎌倉で青年が知り合った年上の男性です。学校の先生ではなく、年上の人を「先生」と呼ぶ青年の口癖から始まった呼び名です(上 三)。仕事はせず、東京で妻の静と暮らしています。下では手紙の書き手として、自分の若い日を語ります。
先生や「私」(青年)の名前は出てきますか?
どちらも出てきません。青年は上 一で、先生の本名は打ち明けないと書いています。中 十六で届く手紙の裏には先生の名が書いてありますが、本文にその名は示されません。青年の名も、「私の名を呼んだ」のように書かれるだけです。
Kとは誰ですか?
先生の幼なじみで親友です。医者の家の養子でしたが、自分の道を選んで養家・実家と対立しました(下 十九〜二十二)。「K」は、先生が手紙の中で、その友達をこう呼んでおくと断った呼び名で(下 十九)、本当の名前は書かれていません。
Kはなぜ死んだのですか?
本文は理由を一つに決めていません。Kの手紙には、意志が弱く将来の望みがないから、という意味のことが書かれ、お嬢さんの名前はありません(下 四十八)。新聞は、勘当されて世をはかなんだ、気が狂った、などと書きました(下 五十一)。先生は初め失恋のためと考え、のちに理想と現実の衝突、さらに孤独を疑います(下 五十三)。どれも先生の推測です。
静(先生の妻)は、先生の秘密を知っているのですか?
知らないままだと書かれています。上 十二で青年は、奥さんは今でもそれを知らずにいる、先生は奥さんに隠して死んだ、と書いています。先生も、妻が生きている間は秘密にしてほしいと頼みました(下 五十六)。結婚した時、静の言い出しで夫婦でKの墓に参っていますが、静は事情を知りませんでした(下 五十一)。
「精神的に向上心のないものは馬鹿だ」は、どこに出てきますか?
二か所です。まず房州の旅で、Kが先生をやりこめた言葉として、地の文の中で紹介されます(下 三十。言い回しが少し違います)。次に上野公園で、先生が同じ言葉をKに投げ返します(下 四十一)。
全部で何章ありますか?どこから読めばいいですか?
青空文庫版では、上36章・中18章・下56章の全110章です。初めてなら上 一から順に読むのがおすすめです。墓の主や、先生が変わった理由など、上の謎が下で明かされる作りだからです。筋を知った後なら、下 五十六から読み、上 十四へ戻ると、同じ言葉が違って響くかもしれません。
原文への道案内
- 物語の最初から:上 一(鎌倉での出会い)
- 先生の手紙の最後:下 五十六
- 作品の情報:青空文庫 図書カード『こころ』
おすすめの読む順は二つです。
- じっくり読むなら、上 一から通して。上 一〜七で先生の謎が出そろい、中 十八で手紙が届き、下で答えが明かされます。
- 要所から読むなら、上 十四(自分さえ信用しない先生)→ 中 十六〜十八(届く手紙)→ 下 三十六〜四十九(Kの告白から死まで)→ 下 五十六(手紙の最後)。気になったところから前後へ広げてください。
出典:夏目漱石『こころ』(青空文庫)。底本:『こころ』集英社文庫(集英社)。入力:j.utiyama、校正:伊藤時也。章番号と引用は青空文庫版によります。
ショート
出典
動画とこのページで使った事実・数字の出どころです。
- 先生の手紙の最後を読む(下 五十六)aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
- 最初から読む(青空文庫『こころ』)aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
- 青空文庫 図書カード『こころ』aozora.gr.jp/cards/000148/card773.html
- 国立国会図書館「近代日本人の肖像」ndl.go.jp/portrait/datas/160
- 上 一〜四aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
- 上 五〜七aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
- 上 八〜十三aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
- 上 十四〜二十aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
- 上 二十一〜三十一aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
- 上 三十二〜三十六aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
- 中 一〜五aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
- 中 六〜十一aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
- 中 十二〜十五aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
- 中 十六〜十八aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
- 下 一〜二aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
- 下 三〜九aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
- 下 十〜十八aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
- 下 十九〜二十四aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
- 下 二十五〜三十一aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
- 下 三十二〜三十九aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
- 下 四十〜四十三aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
- 下 四十四〜四十七aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
- 下 四十八〜五十aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
- 下 五十一〜五十四aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
- 下 五十五〜五十六aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
- 上 十八〜十九aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
- 下 五十三aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
- 下 三十aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
- 下 四十一aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
声・音・絵
- 声:Irodori-TTS(合成音声)
- BGM:「茶屋にて」MATSU/「縁側」siroimu/「百花繚乱」/「藁の記憶」(OpenTracks)
