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社会保険料控除は家族の分も全額親の国民年金を子が払うと子の控除になる話と、対象14種類の一覧

2026-09-16 ・ 読了目安 7分

社会保険料控除は家族の分も全額|親の国民年金を子が払うと子の控除になる話と、対象14種類の一覧

社会保険料控除は、家族の分の社会保険料を払ったときにも受けられます。そして控除できる金額は「その年に実際に支払った金額または給与や公的年金等から差し引かれた金額の全額」です。 親の国民年金の保険料を子が払うと、控除を受けるのは子です。ただし対象になるのは「自己と生計を一にする配偶者やその他の親族」の「負担すべき」社会保険料で、2つの語が乗ります。「家族の社会保険料を払えば全部控除」ではありません。この記事では概要の逐語、対象となる社会保険料14種類の一覧、租税条約の保険料だけに特別な手続が付く話、国民年金の保険料と国民年金基金の掛金について令和9年1月1日以後の提出から明細書でよくなる話を、国税庁タックスアンサー No.1130 のとおりに整理します。

概要(国税庁の逐語)

納税者が自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合には、その支払った金額について所得控除を受けることができます。これを社会保険料控除といいます。

(国税庁タックスアンサー No.1130)

「自己」だけではありません。「自己と生計を一にする配偶者やその他の親族」の分が、同じ行に並んでいます。親の国民年金の保険料は、親が「その他の親族」に当たれば、子が支払って子の控除にできます。「生計を一にする」の判定の細かい基準は、このページには書かれていません(出典のページは「生計を一にしていた子の国民年金保険料を負担した場合」というQ&Aへのリンクを置いています)。

「負担すべき」人の分、です

もう一つの語が「負担すべき」です。控除の対象は、誰かが払った社会保険料そのものではなく、支払う義務のある人の分を、その代わりに払ったときに成立します。親が負担すべき国民年金の保険料を子が払った場合は、負担すべき親ではなく、実際に支払った子の控除になります。生計を一にしない親族の分を払っても、この行には当たりません。

対象となる社会保険料は14種類

社会保険料控除の対象となる社会保険料は次のとおりです。

(同上)

#対象となる社会保険料(出典のとおり)
1健康保険、国民年金、厚生年金保険および船員保険の保険料で被保険者として負担するもの
2国民健康保険の保険料または国民健康保険税
3高齢者の医療の確保に関する法律の規定による保険料
4介護保険法の規定による介護保険料
5雇用保険の被保険者として負担する労働保険料
6国民年金基金の加入員として負担する掛金
7独立行政法人農業者年金基金法の規定により被保険者として負担する農業者年金の保険料
8存続厚生年金基金の加入員として負担する掛金
9国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法、恩給法等の規定による掛金または納金等
10労働者災害補償保険の特別加入者の規定により負担する保険料
11地方公共団体の職員が条例の規定によって組織する互助会の行う職員の相互扶助に関する制度で、一定の要件を備えているものとして所轄税務署長の承認を受けた制度に基づきその職員が負担する掛金
12国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律の公庫等の復帰希望職員に関する経過措置の規定による掛金
13健康保険法附則または船員保険法附則の規定により被保険者が承認法人等に支払う負担金
14租税条約の規定により、当該租税条約の相手国の社会保障制度に対して支払われるもの(我が国の社会保障制度に対して支払われる当該租税条約に規定する強制保険料と同様の方法ならびに類似の条件および制限に従って取り扱うこととされているものに限ります。)のうち一定額

(国税庁タックスアンサー No.1130)

14の租税条約だけ、年末調整は使えません

14には注が付きます。控除を受けるには、その年分の確定申告書に届出書と相手国の機関が発行した「適用証明書」、保険料の金額を証する書類を添付(または提示)します。年末調整で適用することはできません。 さらに確定申告書を提出しない者は、適用を受けようとする年の翌年3月15日までにこれらの書類を所轄税務署長に提出する必要があります。

控除できる金額は「全額」

控除できる金額は、その年に実際に支払った金額または給与や公的年金等から差し引かれた金額の全額です。

(同上)

案内は「上限が無い」とは書かず、「全額」と書いています。実際に払った金額、給与や公的年金から天引きされた金額が、そのまま控除額になります。社会保険料そのものをいくらまで払えるかという制度の話は、このページにはありません。

国民年金の保険料と国民年金基金の掛金は、令和9年1月から明細書でよい

国民年金の保険料および国民年金基金の掛金に係る社会保険料控除の適用については、その保険料または掛金の金額を証する書類もしくは電磁的記録印刷書面…を、確定申告書または年末調整の際に提出する「給与所得者の保険料控除申告書」に添付するか、これらの申告書を提出する際に提示する必要があります。なお、令和8年分以後の所得税に係る確定申告書を令和9年1月1日以後に提出するときは、国民年金の保険料または国民年金基金の掛金の金額を証する書類もしくは電磁的記録印刷書面の添付または提示に代えて、一定の事項の記載がある明細書を確定申告書に添付することができます。

(同上)

この手続の行が書いているのは、国民年金の保険料と国民年金基金の掛金です。自分で払う2つについて、証明書の添付・提示が要ること、そして令和8年分以後の確定申告書を令和9年1月1日以後に提出するときは明細書に代えられることが書かれています。この2つ以外の社会保険料(健康保険や介護保険など)について明細書の行は無いので、「社会保険料は全部明細書でよい」とは読みません。年末調整の「給与所得者の保険料控除申告書」の部分に、明細書の言及はありません。

間違えやすい3つの点

①「家族の社会保険料を払えば全部控除」ではありません。 「自己と生計を一にする配偶者やその他の親族」の「負担すべき」分に限ります。2つの語はそろって初めて当たります。

②「全額」は控除の計算の話で、上限が無いという意味の語ではありません。 案内は「その年に実際に支払った金額または給与や公的年金等から差し引かれた金額の全額」と書いています。

③租税条約の相手国の社会保障制度に払った保険料(14)だけは、年末調整では適用できません。 確定申告と、届出書・適用証明書・金額を証する書類が要ります。

この記事で扱っていないこと

  • 「生計を一にする」の判定基準の細かい話(このページには書かれていません。出典は「生計を一にしていた子の国民年金保険料を負担した場合」のQ&Aへリンクしています)
  • 過去の国民年金の一括払い・翌年分の保険料・2年分の前納の扱い(出典はそれぞれのQ&Aへのリンクを置くだけで、このページには本文がありません)
  • 口座振替で払った場合の扱い(「口座振替により支払った…」という題のQ&Aへのリンクがありますが、本文はこのページにありません)
  • 給与天引きの社会保険料の年末調整での扱いの詳細(このページの手続の行は国民年金の保険料と国民年金基金の掛金を書くだけで、それ以外の天引きについては書かれていません)
  • 14種類それぞれの制度の中身

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出典