お金と制度

特定親族特別控除は9段19歳以上23歳未満の子が62万円を超えても、123万円までは控除が続く

2026-09-16 ・ 読了目安 6分

特定親族特別控除は9段|19歳以上23歳未満の子が62万円を超えても、123万円までは控除が続く

特定親族特別控除は、19歳以上23歳未満の子の所得が扶養控除の線(令和8年分以後は62万円)を超えたあとも、123万円までは控除が続く仕組みです。 控除額は子の合計所得金額で決まる9段の表で、62万円超85万円以下なら63万円——扶養控除の特定扶養親族と同額なので、62万円のところで段差がありません85万円を超えると1段ずつ下がり、123万円を超えると受けられません。この記事では9段の表の読み方、特定親族の9つの要件のうち二重取りを防ぐ3つ、令和8年11月30日以前の準確定申告の特別な取り扱いを、国税庁タックスアンサー No.1177 のとおりに整理します。

この控除の対象になる人(国税庁の逐語)

納税者に、生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族等で、合計所得金額が一定金額以下の控除対象扶養親族に該当しない者(以下「特定親族」といいます。)がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。これを特定親族特別控除といいます。

(国税庁タックスアンサー No.1177)

対象は「控除対象扶養親族に該当しない者」です。扶養控除は子の合計所得金額が62万円以下のときに受けられ、62万円を超えると扶養親族の要件から外れます。外れたあとに、この控除が同じ子を引き取るという形です。年齢は扶養控除の特定扶養親族と同じ19歳以上23歳未満です。

9段の表(国税庁のとおり)

特定親族の合計所得金額控除額
62万円超 85万円以下63万円
85万円超 90万円以下61万円
90万円超 95万円以下51万円
95万円超 100万円以下41万円
100万円超 105万円以下31万円
105万円超 110万円以下21万円
110万円超 115万円以下11万円
115万円超 120万円以下6万円
120万円超 123万円以下3万円

(国税庁タックスアンサー No.1177)

読み方は3つです。62万円までは扶養控除(特定扶養親族63万円)が受けられて、62万円を超えるとこの表に切り替わる——最初の段が63万円なので、62万円のところで減りません。85万円を超えると1段ずつ下がる(85万〜90万円61万円が最初の下がり幅で、5万円ずつの区分に2万円10万円の幅が混ざります)。123万円を超えると、どちらの控除も受けられません。

給与だけの子の線は、197万円

特定親族の要件(5)は「年間の合計所得金額が123万円以下であること」で、その横に「給与のみの場合は給与収入が197万円以下(令和7年分は188万円以下」とあります。所得の123万円と収入の197万円は別の数字です(給与所得控除を引いた後が所得になるので、収入の線は上がります)。扶養控除の「給与収入123万円以下」と並べないこと——62万円123万円197万円は、それぞれ別の線です。

二重取りを防ぐ3つの要件

特定親族の9つの要件のうち、最後の3つは「1人の子を複数人・複数の控除で繰り返し取らない」ためのものです。

⑥「控除対象扶養親族に該当しないこと」。 扶養控除と同時に取らないための線です(62万円以下の子は扶養控除のまま、この表には来ません)。

⑦「特定親族自身が特定親族特別控除を適用していないこと」。 子自身が自分の申告でこの控除を使っていないことが要ります。

⑧⑨申告書に書かれて、源泉徴収されていないこと。 納税者本人が扶養控除等申告書にこの子がいる旨を記載し源泉徴収されていないこと、そして他の者が自分の扶養控除等申告書にこの子を記載していないことが、それぞれ要件です。

令和8年11月30日以前の準確定申告には、更正の請求

令和8年11月30日以前に、令和8年分の所得税の死亡または出国に伴う準確定申告書の提出をする方は、上記規定を適用できませんので、令和8年11月30日以前に提出された準確定申告書については、令和8年12月1日以降、更正の請求により上記規定の控除額を適用することができます。

(同上・注2)

控除額の新しい規定は「令和8年12月1日に施行され、令和8年分以後の所得税について適用」されます(注1)。ただし令和8年分の準確定申告を11月30日までに出した人は適用できないため、12月1日以降に更正の請求で適用する、と案内は書いています。

間違えやすい3つの点

①「123万円の壁」と「197万円の線」を混ぜない。 合計所得金額の線は123万円。給与のみの子の収入の線は197万円(令和7年分は188万円)です。

②9段の最初(62万超85万以下の63万円)を「扶養控除からの減額」と読まない。 この段は特定扶養親族の63万円と同額で、62万円のところで段差はありません。

③要件⑧⑨は「書いた人」で決まります。 納税者自身が申告書に記載して源泉徴収されていないことが要件で、別の親族が申告書に書いた子は、この控除の要件から外れます。

この記事で扱っていないこと

  • 「合計所得金額」の定義そのもの・事業所得があるときの計算(このページには書かれていません)
  • 施行日前の適用関係(出典は「令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A」のPDFを指しています)
  • 源泉控除対象親族の定義の細かい話(要件⑧⑨は所得税法の号を引用する形で書かれています)
  • 特定扶養親族(扶養控除)の表そのもの(62万円以下の話は扶養控除の案内の側にあります)

関連する記事

出典