対象となる人と、ならない人
年末調整の対象となる人は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している人です。ただし、2,000万円を超える給与の支払を受ける人は、年末調整の対象になりません。
(国税庁タックスアンサー No.2662)
年末調整の順序(6段、国税庁の逐語)
1 その年の1月1日から12月31日までの間に支払うべきことが確定した給与の合計額から給与所得控除後の給与等の金額を求めます。給与所得控除後の給与等の金額は、「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」で求めます。なお、子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の適用がある場合には、この所得金額調整控除の額を給与所得控除後の給与等の金額から差し引きます。
2 上記1により求めた額から扶養控除などの所得控除額を差し引きます。
3 上記2により求めた金額(1,000円未満切捨て)に、所得税の税率を当てはめて税額を求めます。
4 年末調整で住宅借入金等特別控除を行う場合には、この控除額を上記3により求めた税額から差し引きます。
5 上記3または4の税額に102.1パーセントを乗じて求めた税額(100円未満切捨て)が、その人が1年間に納めるべき所得税および復興特別所得税の額になります。
6 源泉徴収をした所得税および復興特別所得税の合計額が1年間に納めるべき所得税および復興特別所得税の額より多い場合には、その差額の税額を還付します。逆に、…少ない場合には、その差額の税額を徴収します。
(同上)
「控除」が引かれる3か所
| 段 | 引くもの | どこから引くか |
|---|---|---|
| 段1 | 子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除 | 給与所得控除後の給与等の金額から |
| 段2 | 扶養控除などの所得控除 | 所得から(段1の残りから) |
| 段4 | 住宅借入金等特別控除 | 税額から(段3のあと) |
(同上の記載から作った表)
まとめて「控除を引く」と書くと、この3つの段が潰れます。 段1と段2は税率がかかる前、段4は税率がかかったあとです。
税率が効くのは段2まで
段2で所得から63万円引ける扶養控除があったとしても、税が63万円減るわけではありません。税率は段3で初めてかかるので、控除63万円の効き目は「自分の税率 × 63万円」です(税率10%の人なら6.3万円——あくまで計算の例です。税率は所得で変わります)。一方、段4の住宅借入金等特別控除は税額からそのまま引くので、税率を通りません。税率のぶんだけ目減りする控除と、しない控除が、同じ紙に並んでいます。
切捨てが2回来る
段3で「1,000円未満切捨て」、段5で「100円未満切捨て」。どちらも切捨てなので端数は必ず落ちます。自分の計算と1円単位で合わなくても、案内のとおりの切捨てで説明がつく場合は差額として読みます。
102.1%の意味
段5は、段3または4で出た税額に「102.1パーセント」を掛けます。これが「所得税および復興特別所得税」の合計の額になる、と案内に書かれています。また冒頭には「令和9年分以後は所得税、防衛特別所得税および復興特別所得税」とあり、構成が変わっていく旨も書かれています。
最後の段は、還付か徴収
6段目で、1年間に源泉徴収した額と納めるべき額を比べます。多く源泉徴収されていた場合は還付、少なかった場合は徴収です。年末調整の「戻る・取られる」は、ここで決まります。
間違えやすい3つの点
①「控除」を1まとめにして引く場所が1つだと思わない。 段1(給与所得控除後の金額から)・段2(所得から)・段4(税額から)と、引く場所が3つあります。
②段2の控除を「控除額のまま税が減る」と読まない。 税率がかかるのは段3なので、段2の控除の効き目は税率を通ります。段4だけが税額からそのまま引かれます。
③計算を1円単位で合わせようとしない。 段3と段5に切捨てが書かれています。
この記事で扱っていないこと
- 「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」の中身(案内は表で求める形で、表自体はこのページにありません)
- 住宅借入金等特別控除を年末調整で行える年分の条件(案内は「年末調整で行う場合には」と条件付きで書くだけで、どの年分から行えるかはこのページにありません)
- 所得税の税率表そのもの・復興特別所得税と防衛特別所得税の税率の細かい話
- 年末調整の対象となる人の細かい判定(案内はコード2665を参照する形です)
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出典
- 国税庁タックスアンサー No.2662「年末調整のしかた」[令和8年4月1日現在法令等] https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2662.htm (2026-09-17 取得)




