誰の、どの保険料が対象か
国税庁のタックスアンサー No.1130「社会保険料控除」に、こう書かれています。
納税者が自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合には、その支払った金額について所得控除を受けることができます。
控除できる金額は、その年に実際に支払った金額または給与や公的年金から差し引かれた金額の全額です。
「負担すべき」人と「支払った」人が違ってよいのがこの控除の特徴です。親が子の国民年金をまとめて払ったなら、控除を受けるのは払った親です。
対象になる保険料は、同じページに14種類が並んでいます。身近なものだけ挙げると次のとおり。
- 健康保険・国民年金・厚生年金保険・船員保険の保険料(被保険者として負担するもの)
- 国民健康保険の保険料または国民健康保険税
- 後期高齢者医療制度の保険料(高齢者の医療の確保に関する法律の規定によるもの)
- 介護保険料
- 雇用保険の労働保険料(被保険者として負担するもの)
- 国民年金基金の掛金
証明書が要るのはどれか
ここが、毎年いちばん取り違えられるところです。原文はこう書いています。
国民年金の保険料および国民年金基金の掛金に係る社会保険料控除の適用については、その保険料または掛金の金額を証する書類もしくは電磁的記録印刷書面(…)を、確定申告書または年末調整の際に提出する「給与所得者の保険料控除申告書」に添付するか、これらの申告書を提出する際に提示する必要があります。
名指しされているのは国民年金と国民年金基金の2つだけです。 国民健康保険料・介護保険料・後期高齢者医療の保険料は、この文の中にありません。「払った保険料には全部証明書が要る」ではない、ということです(自分が勤める会社の求めに従ってください。ここで言えるのは、国税庁が書いているのは上の2つだ、ということだけです)。
なお、同じページには確定申告のほうだけの緩和が書かれています。
令和8年分以後の所得税に係る確定申告書を令和9年1月1日以後に提出するときは、国民年金の保険料または国民年金基金の掛金の金額を証する書類もしくは電磁的記録印刷書面の添付または提示に代えて、一定の事項の記載がある明細書を確定申告書に添付することができます。
これは確定申告書の話で、年末調整の保険料控除申告書ではありません。 年末調整では引き続き証明書です。
証明書はいつ届くか(令和7年分の実績)
証明書を出すのは日本年金機構で、送付時期はその年に初めて納付した時期で2つに分かれます。令和8年分の日付はまだ公表されていません(機構のページは 2026年1月22日更新で、令和7年分の日付のままです)。令和7年分の実績は次のとおりでした。
| 納付した時期 | 書面(郵送) | 電子データ |
|---|---|---|
| 令和7年1月1日〜9月30日 | 令和7年10月24日(金)から11月上旬にかけて順次 | 令和7年10月16日(木)から10月下旬にかけて順次 |
| 令和7年10月1日〜12月31日(上を除く) | 令和8年2月9日(月) | 令和8年1月29日(木)から順次 |
電子データの送付対象になっている人には、書面の郵送は行われません。 「11月になっても封筒が来ない」のは、手違いとは限りません。
もう1つ、金額の読み方。証明書には「見込額」が載ることがあります。機構の説明はこうです。
控除証明書を作成した時点での納付方法で、10月1日から12月31日までに納付が見込まれる額のことです。
まだ払っていない分を含んだ数字なので、年内に払い方を変えた人(前納をやめた・未納にした)は、証明書の合計額のままでは実際と合いません。 見込額が表示されないのは、第1号被保険者でない場合、翌々年3月までの前納をしている場合、4月分〜8月分に未納期間がある場合(口座振替・クレジットカード納付を除く)です。
何もしなくていい人
- 給与から天引きされている社会保険料しかない人。 会社が源泉徴収簿で把握しているので、申告書に書き写す必要もありません。
- 家族の保険料を、その家族自身が自分の口座から払っている人。 払った本人の控除になります。あなたの年末調整には関係しません。
- 保険料の引き落とし口座が自分でも、支払っているのが「あなたが負担すべき」給与天引きぶんだけの人。
- 控除証明書が電子データで届いている人。 紙の封筒を待つ必要はありません(郵送はされません)。
この記事で扱っていないこと
- 国民健康保険を年末調整でどう申告するかは、勤め先の様式と自治体の証明の出し方で違います。ここでは扱っていません。
- 確定申告の書き方と、社会保険に加入する条件そのもの(いわゆる106万円・130万円の線)も扱っていません。後者は106万円の壁は2026年10月に撤廃予定にあります。
- 令和8年分の年末調整の様式は、国税庁の「年末調整がよくわかるページ」が令和7年分のままで、令和8年分は10月頃公開予定と書かれています(2026年9月16日に確認)。様式そのものはまだ見られません。
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出典
- 国税庁 タックスアンサー No.1130 社会保険料控除 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1130.htm (2026年9月16日に取得)
- 日本年金機構 控除証明書の送付時期はいつですか。 https://www.nenkin.go.jp/section/faq/kokunen/seido/kojoshomei/20141031-02.html (2026年9月16日に取得・ページ更新日 2026年1月22日)
- 日本年金機構 控除証明書とは何ですか。 https://www.nenkin.go.jp/section/faq/kokunen/seido/kojoshomei/20141031-03.html (2026年9月16日に取得)
- 日本年金機構 控除証明書の証明欄にある「(2)見込額」とは何ですか。 https://www.nenkin.go.jp/section/faq/kokunen/seido/kojoshomei/20120306-04.html (2026年9月16日に取得)
- 国税庁 年末調整がよくわかるページ(令和7年分) https://www.nta.go.jp/users/gensen/nencho/index.htm (2026年9月16日に取得。令和8年分は10月頃公開予定と記載)




