自分がどれに当たるか
| あなたの状況 | 年末調整 | そのあと |
|---|---|---|
| 1か所勤務・年末まで在籍・申告書を出した | される | 何もしなくてよい |
| 給与が2,000万円を超える | されない | 確定申告 |
| 扶養控除等申告書を出していない | されない | 確定申告 |
| 掛け持ちの2か所目(従たる給与) | 原則されない | 確定申告 |
| 年の中途で退職(死亡・非居住者・12月の給与後・パートで136万円以下を除く) | されない | 確定申告 |
| 転職して年末まで在籍・前職の源泉徴収票を出せた | される | 何もしなくてよい |
| 転職したが前職の源泉徴収票を出せない | されない | 確定申告 |
まず、対象になる人の条件は1つだけ
この年末調整の対象となる人は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を年末調整を行う日までに提出している一定の人です。
入口はここです。 申告書を出していなければ、他の条件を満たしていても年末調整は行われません。
12月の年末調整から外れる人は、2つ
12月に行う年末調整の対象は「1年を通じて勤務している人や、年の中途で就職し年末まで勤務している人(青色事業専従者も含みます。)」です。ただし、と続きます。
(1) 1年間に支払うべきことが確定した給与の総額が2,000万円を超える人
(2) 災害減免法の規定により、その年の給与に対する所得税および復興特別所得税の源泉徴収について徴収猶予や還付を受けた人
2,000万円超は、住宅ローン控除でも同じ線が出てきます。住宅ローン控除の2年目以降で「2年目からは年末調整」と書かれているのに申告が要るのは、住宅ローン控除の都合ではなく、年末調整そのものから外れているからです。
年の中途で辞めた人は、5つのどれかなら対象
(1) 海外支店等に転勤したことなどの理由により非居住者となった人
(2) 死亡によって退職した人
(3) 著しい心身の障害のために退職した人(退職した後に再就職をし給与を受け取る見込みのある人は除きます。)
(4) 12月に支給されるべき給与等の支払を受けた後に退職した人
(5) いわゆるパートタイマーとして働いている人などが退職した場合で、本年中に支払を受ける給与の総額が136万円以下である人(退職後その年に他の勤務先から給与の支払を受ける見込みのある人は除きます。)
そして、はっきりこう書かれています。
したがって、年の中途で退職した人で(1)から(4)以外の人は年末調整の対象となりません。
「辞めたら年末調整はしてもらえない」が原則で、上の5つが例外です。(5)の136万円は、令和8年分の扶養の判定と同じ数字です。
2か所目の給与は、原則として年末調整できない
「主たる給与」と「従たる給与」の区別が先にあります。
主たる給与とは、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人に支払う給与をいい
従たる給与とは、主たる給与の支払者以外の給与の支払者が支払う給与をいい
そのうえで、
なお、原則として従たる給与については年末調整できませんので、所得者本人が確定申告することにより所得税および復興特別所得税(令和9年分以後は所得税、防衛特別所得税および復興特別所得税)の精算を行う必要があります。
掛け持ちの2か所目で「年末調整の用紙が来ない」のは、正常です。
転職した人は、前職の源泉徴収票が分かれ目
1年を通じて勤務している人のほか、年の中途で就職し、年末まで勤務している人についても年末調整の対象になります。
転職しただけでは外れません。 ただし条件があります。
この確認は、その人がほかの会社などから交付を受けた「給与所得の源泉徴収票」などで行います。この確認ができないときには、年末調整を行うことはできず、その人が確定申告により所得税及び復興特別所得税(令和9年分以後は所得税、防衛特別所得税および復興特別所得税)の精算を行うことになります。
分かれ目は前職の源泉徴収票を出せたかどうかで、転職そのものではありません。
そして、心配しなくてよいことが1つ明記されています。
例えば、3月に学校を卒業して4月から就職した人の場合、所得のあった月数などに応じてあん分計算するのではなく、その控除の全額が認められます。
働いた月数で控除が減ることはありません。
外れた人がやること ―― 確定申告が必要な7つ
年末調整から外れた人は、確定申告で精算します。そして、年末調整を受けた人でも確定申告が必要になる場合があります。No.1900 の列挙です。
1 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
2 給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える人
3 給与を2か所以上から受けていて、かつ、給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整されなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)との合計額が20万円を超える人(注)
4 同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人
5 災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人
6 源泉徴収義務のない者から給与等の支払を受けている人
7 退職所得について正規の方法で税額を計算した場合に、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人
3 には注が付いています。
(注) 給与の収入金額の合計額から、所得控除の合計額(雑損控除、医療費控除、寄附金控除、基礎控除を除く。)を差し引いた金額が150万円以下で、さらに各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円以下の人は、申告は不要です。
そして、この列挙の前にある一文が効きます。
しかし、給与所得者であっても次のいずれかに当てはまる人(確定申告をすれば税金が還付される人は除きます。)は、確定申告をしなければなりません。
「しなければならない」と「したほうが得」は別です。ここに並ぶのは前者だけです。
何もしなくていい人
裏返すと、次の人は年末調整の用紙を出す以外に何もありません。
- 1か所から給与を受け、年末まで勤務し、扶養控除等申告書を出した人
- 給与が2,000万円以下で、他の所得が20万円以下の人
- 転職したが、前職の源泉徴収票を新しい勤務先に出せた人
iDeCoの掛金が給与から天引きされている人も、その欄については何も書きません(会社が給与計算の側で控除しているためです)。
見つからなかったこと
- 「令和8年分 年末調整のしかた」の表(対象となる人 ⑴〜⑷/対象とならない人 ⑴〜⑹)の全文は、この記事では引いていません。タックスアンサー(No.2665)に同じ内容が文章で書かれているため、そちらを引用しました。PDF の表と文章のどちらかを読めば足りる、という意味です。
出典
- 国税庁 タックスアンサー No.2665「年末調整の対象となる人」(令和8年4月1日現在法令等)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2665.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.2520「2か所以上から給与をもらっている人の源泉徴収」(同)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2520.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.2674「中途就職者の年末調整」(同)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2674.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」(同)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm
引用はすべて原文のままです。 記号・単位・全角半角も変えていません。




