お金と制度

23歳未満の子がいる人は生命保険料控除が6万円まで令和8年・9年分の2年だけ、一般の枠が4万円から広がります

2026-09-15 ・ 読了目安 7分

23歳未満の子がいる人は生命保険料控除が6万円まで|令和8年・9年分の2年だけ、一般の枠が4万円から広がります

23歳未満の子がいる人は、一般の生命保険料控除の枠が4万円から6万円になります。 手続きは、年末調整で配られる「保険料控除申告書」の☆の付いた欄に、子の氏名を1人ぶん書くだけです。

この記事は、国税庁のタックスアンサー No.1140「生命保険料控除」(令和8年4月1日現在法令等)、「源泉所得税の改正のあらまし 令和8年4月」、「令和8年分 給与所得者の保険料控除申告書」とその裏面の注意書き、租税特別措置法関係通達 第41条の15の5 に書かれている文だけで書いています。

まず、いくら変わるのか

一般の生命保険料(新契約)の控除額の表です。上が通常、下が23歳未満の扶養親族がいる場合——金額の刻みが、そのまま1.5倍になっています。

通常(新契約)

年間の支払保険料等控除額
20,000円以下支払保険料等の全額
20,000円超 40,000円以下支払保険料等×1/2+10,000円
40,000円超 80,000円以下支払保険料等×1/4+20,000円
80,000円超一律40,000円

23歳未満の扶養親族がいる場合

年間の新生命保険料控除額
30,000円以下新生命保険料の全額
30,000円超 60,000円以下新生命保険料×1/2+15,000円
60,000円超 120,000円以下新生命保険料×1/4+30,000円
120,000円超一律60,000円

金額の刻みが、すべて1.5倍になっています。 上限も40,000円から60,000円へ。改正のあらましの原文はこうです。

旧生命保険料及び上記⑴の適用がある新生命保険料を支払った場合の一般生命保険料控除の適用限度額が6万円(改正前:4万円)とされました。

ただし、3つの枠の合計は変わりません。

(注) 一般生命保険料控除、介護医療保険料控除及び個人年金保険料控除の合計適用限度額は、改正前と同様の12万円となります。

つまり一般の枠だけが広がり、全体の天井は12万円のままです。介護医療と個人年金をすでに満額使っている人は、合計では増えません。

誰が対象か

正式な呼び名は「年齢23歳未満の扶養親族を有する場合の生命保険料控除の特例」です。「子育て世帯」という言葉は、国税庁の見出しには使われていません。

「年齢23歳未満の扶養親族」の定義は、保険料控除申告書の記載どおりです。

「年齢23歳未満の扶養親族」とは、あなたと生計を一にする年齢23歳未満(平成16年1月2日以後生)の親族(児童福祉法の規定により養育を委託されたいわゆる里子を含み、配偶者、青色事業専従者として給与の支払を受ける人及び白色事業専従者を除きます。)で、本年中の合計所得金額の見積額が62万円以下(給与だけの場合は、給与の収入金額が136万円以下)の人をいいます。

読み取れることを並べます。

  • 子に限りません。 「親族」で、生計を一にしていればよい。里子も含みます
  • 配偶者は入りません。 事業専従者(青色・白色)も外れます
  • 62万円/136万円の線は、令和8年分の扶養の判定と同じ数字です
  • 0歳でも対象です。下限は書かれていません

いつの時点で判定するか ―― 2つの時点が別

通達には、判定の時点が要素ごとに分けて書かれています。

給与所得者の保険料控除申告書を提出する場合において、居住者が年齢23歳未満の扶養親族を有するかどうかは、当該申告書を提出する日の現況により判定する。

(1) その判定の要素となる所得金額 当該申告書を提出する日の現況により見積もったその年の合計所得金額による。

(2) その判定の要素となる年齢 その年12月31日(当該申告書を提出する時までに死亡した者については、その死亡の時)の現況による。

所得は「申告書を出す日に見積もった額」、年齢は「12月31日時点」。 たとえば12月に23歳になる子は、申告書を出す11月の時点ではまだ22歳でも、12月31日で23歳なので対象外です。

そしてもう1つ、年末調整の時期による読み替えがあります。

令和8年11月30日以前に年末調整を行う場合については、「62万円以下(給与だけの場合は、給与の収入金額が136万円以下)」を「58万円以下(給与だけの場合は、給与の収入金額が123万円以下)」に読み替えて使用してください。

11月中に年末調整を済ませる勤務先では、線が123万円になります。 扶養の壁が12月から136万円になる話と、同じ日付の切れ目です。

申告書のどこに何を書くか

「令和8年分 給与所得者の保険料控除申告書」には「☆年齢23歳未満の扶養親族」という欄があります。書くのは次の6つです。

  • 年齢23歳未満の扶養親族の氏名
  • 左記の者の個人番号
  • 左記の者の生年月日(平16.1.2以後生)
  • あなたと左記の者の住所又は居所が異なる場合の左記の者の住所又は居所
  • 左記の者の本年中の合計所得金額の見積額
  • 左記の者のあなたとの続柄

裏面の注意書きに、書くのは1人ぶんでよいと明記されています。

一般の生命保険料(新保険料等に限ります。)の金額があり、かつ、年齢23歳未満の扶養親族を有する場合(…)は、「☆年齢23歳未満の扶養親族」欄にその扶養親族の氏名等を記載してください(2人以上の年齢23歳未満の扶養親族を有する場合は、いずれか1人を記載することで差し支えありません。)。

計算欄の使い方も、通常とは変わります。

また、この場合には、②欄及び⑤欄を記載するとともに、イ欄には「⑤欄の金額」を記載してください(①欄及び④欄は使用しません。)。

①欄と④欄は使いません。 ここは通常の一般生命保険料の欄なので、両方書くと二重になります。

マイナンバーについては、こう書かれています。

「☆年齢23歳未満の扶養親族」欄の「左記の者の個人番号」欄については、一定の要件の下、マイナンバー(個人番号)の記載を要しない場合がありますので、給与の支払者に確認してください。

いつまでの制度か ―― 2年だけ

この改正は、令和8年分の所得税について適用されます(令和8年度の税制改正により、この適用期限は令和9年分まで延長されました。)。

年齢23歳未満の扶養親族を有する場合の生命保険料控除の特例(7ページ2参照)の適用期限が令和9年分(改正前:令和8年分)まで延長されました。

当初は令和8年分の1年限りで、令和9年分まで延長されたという書かれ方です。令和10年分以降について書かれた記述は、今回当たった範囲では見つかりませんでした。

見つからなかったこと

  • 「子育て世帯」という呼び方は、国税庁の見出しにはありません。正式な呼び名は「年齢23歳未満の扶養親族を有する場合の生命保険料控除の特例」です
  • 通達のページには、掲載日・更新日・適用年分の明示が見つかりませんでした。 本文の注記は「(令7課個2-12、課法12-6、課審5-11追加)」です
  • 令和10年分以降の扱いについての記述は見つかりませんでした

出典

  • 国税庁 タックスアンサー No.1140「生命保険料控除」(令和8年4月1日現在法令等)— 控除額の表

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1140.htm

  • 国税庁「源泉所得税の改正のあらまし 令和8年4月」— 適用限度額6万円・3枠合計12万円・適用期限

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/2026kaisei.pdf

  • 国税庁「令和8年分 給与所得者の保険料控除申告書」(表面と裏面の注意書き)— 対象の定義・☆欄・②⑤イ欄

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/pdf/2026bun_04.pdf

  • 国税庁 租税特別措置法関係通達 第41条の15の5「年齢23歳未満の扶養親族を有する場合の生命保険料控除の特例」関係 — 判定の時点

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/shotoku/sochiho/801226/sinkoku/57/41/15_5.htm

引用はすべて原文のままです。 記号・単位・全角半角も変えていません。