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中途就職者の年末調整は、前職の源泉徴収票が要ります4月入社でも控除は満額、あん分計算はしない

2026-09-16 ・ 読了目安 5分

中途就職者の年末調整は、前職の源泉徴収票が要ります|4月入社でも控除は満額、あん分計算はしない

年の中途で就職した人も、年末まで勤務していれば年末調整の対象です。 ただし前職がある人は、前職の「給与所得の源泉徴収票」が要る——これが確認できないと、会社は年末調整を行うことができず、税の精算は本人の確定申告に移ります。もう一方で、基礎控除や扶養控除は「働いた月数であん分」されず、4月入社でも全額が認められます。この記事では、国税庁タックスアンサー No.2674 の手続きの3段階と、あん分計算をしないという取り扱いを、出典のとおりに整理します。

対象になる人(国税庁の逐語)

1年を通じて勤務している人のほか、年の中途で就職し、年末まで勤務している人についても年末調整の対象になります。

(国税庁タックスアンサー No.2674)

対象の線は「年末まで勤務している」ことです。年の中途の就職自体は対象から外しません。

手続きは3段階(国税庁のとおり)

まず、就職前にその年中にほかの会社などから給与の支払を受けたことがあったかどうかを確認します。ほかの会社などに「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出して支払を受けた給与がある人については、それらの給与を含めて年末調整を行う必要があります

次に、ほかの会社などから支払を受けた給与の金額やその給与から徴収された所得税や社会保険料の額を確認します。

この確認は、その人がほかの会社などから交付を受けた「給与所得の源泉徴収票」などで行います。

(同上)

並べると3段階です。

段階内容
① 前職の有無の確認その年中にほかの会社から給与を受けたか。「扶養控除等(異動)申告書」を提出して受けた給与がある人は、それらを含めて年末調整する
② 金額の確認前職の給与の金額・徴収された所得税・社会保険料の額
③ 確認の手段前職から交付を受けた「給与所得の源泉徴収票」など

①で「含めて」が効きます。 転職前の給与は前職が調整済みに見えても、異動申告書を出していた人は、新しい会社が1年分をまとめて計算し直します。前職の源泉徴収票は、その材料として②③で使われます。

源泉徴収票が確認できないと、年末調整はできない

この確認ができないときには、年末調整を行うことはできず、その人が確定申告により所得税及び復興特別所得税(令和9年分以後は所得税、防衛特別所得税および復興特別所得税)の精算を行うことになります。

(同上)

「転職すれば新しい会社が年末調整してくれる」は、前職の源泉徴収票が渡せることが前提です。渡せないと年末調整は行われず、精算は本人の確定申告に移ります。精算の対象に名前が出ているのは所得税と復興特別所得税で、令和9年分以後は所得税、防衛特別所得税および復興特別所得税と書かれています(所得税から引く控除が税額まで効く計算の流れは、年末調整の計算は6段の記事で整理しています)。

控除は月割りしない——4月入社でも全額

なお、年末調整を行う際に給与所得から控除する基礎控除や扶養控除などの所得控除の計算において、例えば、3月に学校を卒業して4月から就職した人の場合、所得のあった月数などに応じてあん分計算するのではなく、その控除の全額が認められます

(同上)

基礎控除・扶養控除などの所得控除は、勤務月数で割らないのが出典の取り扱いです。「8か月しか働いていないから基礎控除も8/12」という計算は出典にありません。4月入社の新卒の人の控除は満額です。

何もしなくていい人

①就職前に給与を受けたことがない人。 新卒で最初の会社に入った人は、段階①〜③の確認そのものがありません(出典の手続きは「就職前にほかの会社から給与の支払を受けたことがあったかどうかを確認します」から始まり、無ければそこで終わります)。

②前職の源泉徴収票を新しい会社に提出した人。 段階③の材料が揃っているので、あとの計算は会社の側です。

③年末調整の対象にならない人。 2,000万円超など、そもそも年末調整の対象外の人はこの手続きの外にいます(年末調整をしてもらえない人の型は決まっていますで出典のとおりに整理しています)。

間違えやすい3つの点

①「前職も年末調整済みだから、前職の書類は不要」と読まない。 出典は、扶養控除等(異動)申告書を提出して受けた給与がある人について「それらの給与を含めて」年末調整を要ると書いています。前職の源泉徴収票が無ければ、新しい会社の年末調整は行えません。

②「働いた月数で控除が減る」と読まない。 あん分計算はしない、と出典が明言しています。

③精算は会社ではなく本人の確定申告。 源泉徴収票の確認ができない場合、精算を行うのは「その人」です。

この記事で扱っていないこと

  • 前職から源泉徴収票の交付を受けられない場合の手当て(このページには書かれていません。別の様式・手続きの案内に当たる必要があります)
  • 転職が年のうちに2回以上あるときの数え方(出典は「ほかの会社など」と複数を含む言い方ですが、具体の例はありません)
  • 前職の社会保険料が年末調整のどの欄に乗るかの細かい話(出典は②の確認対象に社会保険料の額を挙げるのみ)
  • 所得金額調整控除など、中途就職でも変わらない控除の中身(年末調整の計算は6段の側で扱います)

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出典