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高額療養費の限度額は2026年8月から変わりました月の上限が上がる代わりに、1年間の支払いに初めて天井が付きます

2026-09-16 ・ 読了目安 7分

高額療養費の限度額は2026年8月から変わりました|月の上限が上がる代わりに、1年間の支払いに初めて天井が付きます

高額療養費の自己負担限度額は、2026年(令和8年8月の診療分から変わりました。70歳未満では多くの所得区分で月の上限が上がる一方、1年間の支払い合計に初めて天井(年間上限)が付き、長く治療を続けている人の負担は下がる人もいます。 上がる話ばかり流れていますが、一次資料は「追加のご負担」と「セーフティネットの強化」を同じ文書で両方書いています。この記事では、変わった部分・変わらない部分を表に整理し、数え方で間違えやすい「多数回該当」と「年間上限41万円」の条件まで確認します。

何が変わったか

厚生労働省の資料によると、見直しの中心は3つです。

  1. 月の自己負担限度額が上がる(主に70歳未満の上位区分。短期間の治療で済む人が追加の負担をする)
  2. 「年間上限」が新しく付く(月ごとの上限には届かない人でも、1年間の合計が上限に達すれば、その年の追加負担は不要になる)
  3. 多数回該当の金額は据え置き(長く治療を続けている人の負担は増やさない)+標準報酬月額15万円以下の人は2027年(令和9年8月から多数回該当の金額を引き下げ

つまり「負担が増える制度改正」でも「減る制度改正」でもなく、短期の高額医療では増え、長期の療養では天井ができるという両面の変更です。厚生労働省の実例では、多数回該当に該当しなかった人の1年の自己負担は57.3万円53.0万円約4.3万円の負担減)、極めて高額な医療を受けた人は76.7万円53.0万円約23.7万円の負担減)とされています。

限度額の表(70歳未満2026年8月2027年7月診療分)

月の自己負担限度額は次のとおりです。

所得区分(標準報酬月額)月の上限(2026年8月〜)
83万円以上270,300円+(総医療費−901,000円1%
イ 53万〜79万円179,100円+(総医療費−597,000円1%
ウ 28万〜50万円85,800円+(総医療費−286,000円1%
26万円以下61,500円
オ 低所得者36,900円

多数回該当の金額(1年間で3か月以上支給を受けたあとの4か月目から適用される引き下げ額)と、新設された年間上限は次のとおりです。

所得区分多数回該当年間上限
83万円以上140,100円168万円
イ 53万〜79万円93,000円111万円
ウ 28万〜50万円44,400円53万円
26万円以下44,400円53万円(※)
オ 低所得者24,600円29万円

※ 標準報酬月額15万円以下であることが確認できた人は、年間上限が41万円になり、その41万円分は2027年(令和9年8月以降に償還払いされます。確認が取れない場合は53万円のままです。

変更前(2026年7月まで)との差は、たとえば区分「ウ」なら月の上限が80,100円+(総医療費−267,000円1%から85,800円+(総医療費−286,000円1%へ上がります。多数回該当の金額は、全区分で据え置きです。

原文

今回の高額療養費制度の見直しでは、制度全体の持続可能性の確保の観点から、低所得の方の負担に配慮しつつ、主に療養期間が短期の方に追加のご負担をお願いする一方で、「多数回該当」の金額を維持した上で、新たに「年間上限」を設けるとともに、令和9年8月から標準報酬月額が15万円以下の方の「多数回該当」の金額を引き下げるなど、長期療養者や低所得者へのセーフティネット機能を強化しています。

(厚生労働省「高額療養費制度の見直しについて(令和8年8月診療分から)」)

月ごとの自己負担額が積み上がっても、年間の上限額に達した後は、それ以上の医療費の支払いは不要となります。

(2)「年間上限」の導入-多数回該当に該当しない長期療養者の経済的負担にも配慮する観点から、新たに「年間上限」を導入。これにより、月単位の「限度額」に到達しない方であっても、「年間上限」に達した場合には、当該年においてそれ以上の負担は不要となる。

(同上)

療養を受けた月以前の1年間に、3か月以上の高額療養費の支給を受けた場合には、4か月目から「多数回該当」となり

標準報酬月額が15万円以下であることが確認できた方は、年間上限41万円を適用し、令和9年8月以降に償還払いします。

(全国健康保険協会「高額療養費」)

間違えやすい3つの点

①「年間上限が新設」は70歳未満の話です。 70歳以上の「一般」の区分には、改定前から通院の年間上限(144,000円)が存在しました。今回の新設は、70歳未満には1年の天井が無かったことに付けたものです。70歳以上では、逆に通院にも年間上限が広がっています。

②多数回該当は「3回入院したら」ではありません。 数え方は「療養を受けた月以前の1年間(直近12か月)に、高額療養費の支給を受けた月が3か月以上」で、4か月目から適用されます。入院と通院の月が混ざっていても、支給を受けた月数で数えます。

③年間上限41万円の区分は、すぐ戻ってくるわけではありません。 標準報酬月額15万円以下で、年収約200万円未満(健保では15万円以下・国保では86万円以下の区分に該当)であることが確認できた人は年間上限が41万円になりますが、この41万円分は2027年(令和9年8月以降に償還払い(いったん支払ってから戻る)です。確認が取れない場合は、月の上限61,500円・年間上限53万円のまま計算されます。

対象にならないもの

  • 差額ベッド代など保険外の費用(保険外併用療養費の差額部分)
  • 入院中の食事代(入院時食事療養費・生活療養費)
  • 70歳未満の世帯合算は、1つの医療機関ごとの自己負担が21,000円以上の場合に限ります(70歳以上はすべて合算)

この記事で扱っていないこと

  • 70歳以上の限度額の表(通院の月額・年間上限が今回広がった区分の話)は別の記事で扱います
  • 2027年(令和9年8月から実施される所得区分の細分化(70歳未満で10区分→13区分、最高区分は342,000円+(医療費−1,140,000円1%)は、時期が近づいたら別の記事にします
  • 国民健康保険・組合管掌健保の限度額(法令・告示は共通ですが、組合独自の上乗せ給付は各健保ごとに確認する必要があります)
  • 先進医療など保険外の技術料

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出典