先に、あなたがどこに居るか
| いまの状態 | 手取り(月・概算) |
|---|---|
| 国民健康保険・国民年金を自分で払っている | 76,300円 |
| 社会保険の扶養の範囲で働いている | 97,500円 |
| 社会保険に加入して働いている | 83,500円 |
いちばん低いのは「自分で払っている」状態です。 扶養から入る人と、自分で払っている人とで、答えが逆を向きます。
扶養から入ると ―― 手取りは1万4千円減る
97,500円 → 83,500円。差は 14,000円。
引かれるようになるのは健康保険料 5,000円と厚生年金保険料 9,000円で、雇用保険料 500円と所得税 0円は前と同じです。
自分で払っていた人が入ると ―― 手取りは7千2百円増える
76,300円 → 83,500円。差は +7,200円。
国民健康保険料 3,200円と国民年金保険料 18,000円(合計 21,200円)を自分で払っていたのが、健康保険料 5,000円と厚生年金保険料 9,000円(合計 14,000円)になります。会社が同じ額をもう半分払うからです。
この人にとって、社会保険に入るのは損ではありません。 同じ月給で、手取りが増えます。
増えるほうの話 ―― 将来の年金
厚生年金に入ると、国民年金に上乗せされる部分(老齢厚生年金)が増えます。 増える額は加入していた期間と、そのあいだの報酬で決まります。
日本年金機構が出している目安(年額・令和8年度)はこうです。
| 加入年数 | 年間給与120万円 | 150万円 | 200万円 |
|---|---|---|---|
| 1年 | 5,900円 | 7,600円 | 10,200円 |
| 5年 | 29,600円 | 38,100円 | 51,400円 |
| 10年 | 59,300円 | 76,300円 | 102,900円 |
| 15年 | 89,000円 | 114,400円 | 154,400円 |
| 20年 | 118,700円 | 152,600円 | 205,900円 |
| 25年 | 148,400円 | 190,800円 | 257,400円 |
年間給与120万円で25年入ると、年金が年に 148,400円 増えます。 同じ資料には「年金を65〜80歳まで(15年間)受給すると 累計 約220万円 増額」と書かれています。
これは老齢厚生年金(上乗せの部分)の目安です。 同じ紙面にある「年額 847,300円」は老齢基礎年金のほうで、そちらに「※40年加入した場合」の注記が付いています。上の表とは別の箱の数字です。
自分の場合の額は、ねんきん定期便かねんきんネットで、自分の記録から出すのが確実です。
この数字が誰の数字か ―― ここが大事です
厚生労働省の試算には、当てはまる範囲が書かれています。
- 月額給与が 88,000円以上 210,000円未満の人の試算に限定されています。この帯の外の人には当てはまりません。
- 住民税は計算に入っていません。「前年度の所得により翌年度の住民税額が決定されるため、手取り計算の算式には考慮しておりません」と明記されています。上の3つの数字は、住民税を引く前の手取りです。
- 保険料率は 2026年4月時点のものです。
- 健康保険料率は協会けんぽの全国平均 9.9% に子ども・子育て支援金率 0.23% を合計した率で、特定の都道府県の率ではありません(労使折半なので、従業員の負担は 4.95% と 0.115%)。
書かれていないこともあります。
- 年齢は書かれていません。 ただし加入後の内訳は「健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・所得税」の4つだけで、介護保険料(40歳から引かれます)が入っていません。
- お住まいの市区町村も書かれていません。 国民健康保険料は市区町村ごとに違うので、「自分で払っている」の 76,300円 は、お住まいの地域では変わります。
まとめ ―― 3つの質問
- いま自分で国民健康保険と国民年金を払っているか。 払っているなら、社会保険に入ると手取りは増えます。
- いま扶養の範囲で働いているか。 その場合は手取りが1万4千円減ります。 そのぶん将来の年金が増えるので、何年働くつもりかで判断が変わります。
- 月給は 88,000円以上 210,000円未満か。 外なら、この試算は当てはまりません。
正確な金額は、勤務先の人事労務担当者とお住まいの市区町村で確かめてください。厚生労働省のページにも同じ注意が書かれています。
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出典
- 厚生労働省「手取り額の変化について|社会保険適用拡大特設サイト」 https://www.mhlw.go.jp/tekiyoukakudai/jugyouin/henka/ (2026年9月16日に開いて確認。手取りの3つの金額と内訳、留意点の逐語)
- 日本年金機構「社会保険 加入のメリット」 https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2021/0219.files/tirashi_merit.pdf (年金の表と「累計 約220万円 増額」の逐語。PDF の文字は機械で読み取れないので、紙面を画像に起こして目で確認しました。「※40年加入した場合」が老齢基礎年金の箱に付いていて表には掛からないことも、そのとき確かめています)




