「ひとり親控除について」の行——⑴と⑵
6 ひとり親控除について、次の措置が講じられました。
⑴ 控除額が38万円(改正前:35万円)に引き上げられました。
⑵ 上記⑴の改正に伴い、公的年金等に係る源泉徴収税額の計算におけるひとり親に該当する場合の人的控除額が32,500円(改正前:30,000円)に引き上げられました。
⑴の改正は令和9年分以後の所得税について、⑵の改正は令和9年1月1日以後に支払うべき公的年金等について適用されます。
(国税庁「令和8年度税制改正に伴う源泉所得税関係の取扱いについて」パンフレット・令和8年4月1日現在法令等)
| 行 | 改正 | 適用の線 |
|---|---|---|
| ⑴ | 控除額 35万円 → 38万円 | 令和9年分以後の所得税 |
| ⑵ | 人的控除額 30,000円 → 32,500円 | 令和9年1月1日以後に支払うべき公的年金等 |
(同パンフレットより整理)
並びを読むと、3つの行に分かれています。
①控除額の行——ひとり親控除の控除額が35万円から38万円へ。適用は令和9年分以後の所得税です。
②人的控除額の行——「公的年金等に係る源泉徴収税額の計算における」ひとり親の人的控除額が30,000円から32,500円へ。行の最初に「上記⑴の改正に伴い」と付いていて、控除額の引き上げと連動する数字であることが示されています。
③適用の線は2本——⑴は令和9年分以後の所得税。⑵は令和9年1月1日以後に支払うべき公的年金等。所得税の年分で引く線と、支払うべき日で引く線が並んでいます。
⑵の「人的控除額」は、年金の源泉徴収の計算の中身の数字です
⑵の行が指すのは、年金の支払者が源泉徴収税額を計算するときの数字です。公的年金等の源泉徴収では、受給者の扶養親族等の状況に応じた計算が行われますが、その計算の中でひとり親に該当する場合に使われるのがこの「人的控除額」——改正で30,000円から32,500円になります。
なお「人的控除額」という言葉の中身(計算式のどの位置に置かれるか)は、このパンフレットでは説明されていません——額の改正の行だけが置かれています。控除額(38万円)と人的控除額(32,500円)は単位も桁も違う別の数字で、同じ行に並びながら畳めません。
適用の線が2つに分かれている——同じ令和9年でも始まり方が違う
この行の読みどころは、⑴と⑵で線の引き方が違うことです。
- ⑴(控除額38万円)——「令和9年分以後の所得税」。確定申告や年末調整の年分で線が引かれます
- ⑵(人的控除額32,500円)——「令和9年1月1日以後に支払うべき公的年金等」。年金は6月と12月の年2回支給が基本なので、支払日がいつかで線が引かれます
同じ改正の中身でも、所得税の年分の線と支払日の線は並びが違います。令和8年12月の支払と令和9年6月の支払は、どちらも令和9年に読むお金ですが、線の上では⑵の境目を挟んで別の側に置かれます。
間違えやすい3つの点
①控除額38万円と人的控除額32,500円を同じ種類の数字と読まない。 38万円はひとり親控除の控除額、32,500円は公的年金等の源泉徴収税額の計算における人的控除額で、単位も桁も使われる場面も違います。
②⑵を「年金を受け取る人が手続きする」と読まない。 源泉徴収税額の計算は年金の支払者の側の計算で、この改正で受け取る人の手続きの行が増えるわけではありません。
③「上記⑴の改正に伴い」を「⑴と同じ日から」と読まない。 ⑵の適用は「令和9年1月1日以後に支払うべき公的年金等」で、⑴の「令和9年分以後の所得税」とは線の引き方が違います。
このページだけでは言えないこと(この記事では扱いません)
- 「人的控除額」の定義と計算式の中での位置——パンフレットは額の改正の行だけで、言葉の説明の行はありません
- ひとり親控除の適用要件(婚姻歴・子の所得の線)——ひとり親控除の基本の記事の側の話で、このパンフレットの行は額の改正だけです
- 源泉徴収税額表の乙欄がどう更新されるかの具体的な行(税額表そのものはこのパンフレットには置かれていません)
- 扶養親族等に係る他の控除(扶養控除・配偶者控除など)の人的控除額の対応——この行はひとり親の分だけです
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出典
- 国税庁「令和8年度税制改正に伴う源泉所得税関係の取扱いについて」(パンフレット・令和8年4月1日現在法令等) https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/2026kaisei.pdf (2026-09-17 取得)




