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令和9年1月から天引きに「防衛特別所得税」が加わります復興特別所得税は2.1%→1.1%に下がり、合計2.1%は変わらない——源泉徴収の計算に変更はありません

2026-09-16 ・ 読了目安 6分

令和9年1月から天引きに「防衛特別所得税」が加わります|復興特別所得税は2.1%→1.1%に下がり、合計2.1%は変わらない——源泉徴収の計算に変更はありません

令和9年1月から、給与や報酬から天引きされる税の中身に「防衛特別所得税」という名前が加わります。ただしこの改正で一番大切な行は、名前の行ではありません——合計税率は2.1%のままで、源泉徴収税額の計算方法に変更は生じないという行です。国税庁の令和8年度改正のパンフレットの行をそのまま読みます。

創設・引き下げ・延長——3つの行が並んでいます

令和8年度の税制改正により、防衛特別所得税が創設され、所得税の源泉徴収義務者は、所得税を徴収する際に、防衛特別所得税 (源泉徴収すべき所得税の額の1%相当額)を併せて徴収し、その所得税の法定納期限までに、その防衛特別所得税をその所得税と併せて国に納付しなければならないこととされました。

また、復興特別所得税について、その税率が1.1%(改正前:2.1%)に引き下げられ、課税期間が令和29年12月31日まで(改正前:令和19年12月31日まで10年間延長されました。

これらの改正は、令和9年1月1日以後に生ずる所得に対する所得税について適用されます。

(国税庁「令和8年度税制改正に伴う源泉所得税関係の取扱いについて」パンフレット・令和8年4月1日現在法令等)

改正中身
創設防衛特別所得税——源泉徴収すべき所得税の額の1%相当額を、所得税と併せて徴収・納付
引き下げ復興特別所得税の税率 2.1% 1.1%
延長復興特別所得税の課税期間が令和29年12月31日まで10年間延長(改正前は令和19年12月31日まで

(同パンフレットより整理)

適用の線は「令和9年1月1日以後に生ずる所得に対する所得税」です。

合計税率は変わらない——名前が入れ替わるだけです

なお、改正前(復興特別所得税の税率2.1%)と改正後(防衛特別所得税の税率1%及び復興特別所得税の税率1.1%)とで、合計税率(2.1%)に変更はありませんので、改正前後で、源泉徴収税額の計算方法に変更は生じません。

(同パンフレット)

並べて読むと、入れ替わりの構造が見えます。

  • 改正前——復興特別所得税 2.1%
  • 改正後——防衛特別所得税 1% + 復興特別所得税 1.1%2.1%

合計が同じ2.1%なので、天引きされる額そのものが変わる行ではありません。変わるのは、2.1%の中身の名前と配分です。

計算は1本の式——合計税率は「所得税率×102.1%

支払金額等×合計税率(%)=源泉徴収すべき所得税、防衛特別所得税及び復興特別所得税の額

合計税率(%)=所得税率(%)×102.1%

(注)算出した「所得税、防衛特別所得税及び復興特別所得税の額」に1円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てます。

(同パンフレットより整理)

パンフレットが並べる合計税率の表は、次の6段です。

所得税率(%)合計税率(%)(所得税率×102.1%
55.105
1010.21
1515.315
1616.336
1818.378
2020.42

(同パンフレットより整理)

具体例もパンフレットに置かれています——報酬・料金として888,888円を支払った場合(所得税率10%: 888,888円 × 10.21% 90,755.4648円 1円未満切捨て → 90,755円。所得税・防衛特別所得税・復興特別所得税の合計額を、1枚の所得税徴収高計算書(納付書)で納付する行になっています。

給与等は源泉徴収税額表で、年末調整も102.1%

給与等については、令和9年分以後の源泉徴収税額表に基づき、所得税、防衛特別所得税及び復興特別所得税の合計額を徴収し、1枚の所得税徴収高計算書(納付書)で納付します。

(注)令和9年分の源泉徴収税額表は、令和8年8月末頃に国税庁ホームページに掲載する予定です。

給与等から源泉徴収する税額は、所得税、防衛特別所得税及び復興特別所得税の合計額となっておりますので、年末調整も所得税、防衛特別所得税及び復興特別所得税の合計額(年調所得税額×102.1%)で行います。

(同パンフレットより整理)

給与の天引きは、令和9年分以後の源泉徴収税額表に切り替わって合計額を徴収します。年末調整も、年調で計算した所得税額に102.1%を乗じる形です。なおこのパンフレット(令和8年4月1日現在法令等)の段階で、令和9年分の税額表は「令和8年8月末頃に掲載する予定」という行まで——表の中身はこの先の行です。

年末調整の計算の記事が扱うのはこの「年調所得税額」の側で、そこに102.1%が乗るのが令和9年分以後の行です。

限度税率や免除になる場合の注

(注)租税条約の規定により、所得税法及び租税特別措置法に規定する税率以下の限度税率が適用される場合又は所得税が免除される場合には、防衛特別所得税及び復興特別所得税は課されません。

(同パンフレット)

租税条約で税率の上限(限度税率)が効く場合や所得税が免除される場合は、この2つの特別所得税は課されない——注の行はここまでを示しています。個別の適用の判断はこのパンフレットの中にはありません。

間違えやすい3つの点

①「防衛特別所得税が加わる=天引きが増える」と読まない。 合計税率は2.1%のままで、パンフレットは「源泉徴収税額の計算方法に変更は生じません」とまで書いています。

②「復興特別所得税がなくなる」と読まない。 税率が2.1%から1.1%に下がる行で、課税期間は令和29年12月31日まで延長されています。なくなる行ではありません。

③合計税率を「所得税率+2.1%」と読まない。 パンフレットの式は「所得税率×102.1%」です。10%なら「12.1%」ではなく10.21%——乗じる形です。

このページだけでは言えないこと(この記事では扱いません)

  • 防衛特別所得税の使途——パンフレットの行は創設・徴収・納付の取り扱いだけで、使途の行はありません
  • 令和9年分の源泉徴収税額表の中身——「令和8年8月末頃に掲載する予定」の行までで、表そのものはありません
  • 個々の租税条約の限度税率の水準・適用の個別判断(注が示すのは「課されない」場合の枠だけです)
  • 源泉徴収以外の場面(申告税額への2.1%の乗り方)——このパンフレットは源泉徴収の側の行だけを並べています

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出典