頭35、足94本。うさぎは何びき?つるかめ算(小4・上級) |算数ひらめき劇場 #02
答え
- 頭が35、足が94本なら、うさぎは12びきです。
- この問題は、1500年以上前の中国の算数の本『孫子算経』にのっているつるかめ算です。
- 35ひきを図にかいて足をそろえて見ると、当てずっぽうしなくてもすっととけます。
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解説
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算数ひらめき劇場|小学4年生・上級|保護者・先生向け
つるかめ算を、子どもとどこから考えればよいでしょうか。このページでは、予想して試すところから、足を積み木にした「面積図」を組み立て、答えを確かめるまでを順に説明します。
解答を含みます。子どもと挑むときは、まず問題だけを見せ、断りのある答えの節へ進む前に考える時間を取ってください。 印刷した紙でも、静止図と説明だけで追えます。
問題:頭と足の数から、うさぎを探す
かごの中に、きじとうさぎがいます。きじの足は2本、うさぎの足は4本です。頭は全部で35、足は全部で94本です。うさぎは何びきいるでしょうか。

頭が35ということは、動物が合わせて35ひきいるということです。紙に絵や表をかいて、まず自分のやり方で試してみましょう。
これは、1500年以上前の中国の算数の本『孫子算経(そんしさんけい)』にある問題です。原題はきじとうさぎ両方の数を尋ねています。この回では同じ動物・同じ数を使い、うさぎの数を問いの中心にしています。
最初の一手:予想から面積図へ
半分くらいずつ入っていると予想して、足を数えるのは自然な始め方です。
| 試した内訳 | 足の合計 | 94本との差 |
|---|---|---|
| きじ18羽・うさぎ17ひき | 18×2+17×4=104本 | 10本多い |
| きじ28羽・うさぎ7ひき | 28×2+7×4=84本 | 10本足りない |
変えた動物の分だけ足を直していく方法でも、答えに近づけます。ここでは「どれだけ直せばよいか」を図で見えるようにします。その入口が、どの動物にも共通する足を先に置くことです。
小さいかごで、足を積み木にする
まず、内訳が見えている、きじ3羽・うさぎ2ひきのかごを考えます。足は全部で14本です。

足1本を積み木1こにすると、きじの列は2こ、うさぎの列は4こになります。横の1列が動物1ひき、縦の高さがその動物の足の数です。

列ごとうさぎを右へまとめます。並べ替えても、積み木の合計は変わりません。

下の2段は全員に共通する分で、2×5=10こ。その上の4こは、うさぎの所にだけあります。うさぎはきじより2本多いので、上には1列につき2こずつ必要です。はみ出した所の横幅が、うさぎの数を表すと読めます。
動かして見る:小さいかごの足を積み木にする
つるかめ算を面積図で解く手順
全員に共通する分で、下の長方形を作る
大きいかごでは、どれがうさぎかはまだ分かりません。それでも、どの動物にも少なくとも2本の足があります。35列を用意し、各列に2こずつ置くことはできます。

下の長方形は2×35=70こ。「全部きじだったら」と考えた足の数です。実際のかごを変えるのではなく、すべての動物に共通する分だけを先に数えています。
本当の合計と比べ、残りの置き場所を考える
足は94本なので、残りは94−70=24こです。

この24こはどこに置けるでしょう。きじの足は下の2こで数え終わっています。残りを置けるのは、足が多いうさぎの列だけです。
はみ出した所の高さを決める
うさぎの足は4本ですが、下の長方形ですでに2本分を置いています。上に足すのは4−2=2こずつです。残りの山を2こずつ積むと何列できるか、そしてその列が何の数かを考えてから、次へ進んでください。
答えと確かめ(答えまで書いてあります)
24こを2こずつに分けると、24÷2=12列です。

はみ出しているのはうさぎの列なので、うさぎは12ひきです。きじは残りの35−12=23羽です。「全部きじ」から始めても、最後のわり算で求めたのは、足を追加したうさぎの数です。

確かめは、もとの条件を両方使います。頭は23+12=35。足は23×2=46、12×4=48、46+48=94で合います。逆に、きじを12羽とすると足が116本になり、条件に合いません。
動かして見る:下の長方形から、残りを積むまで
『孫子算経』の答えも、きじ23・うさぎ12です。ここに示すページは、1934年に日本で作られた写しです。

別の見方:予想を直す・全部うさぎから考える(答えを含みます)
最初の予想は、うさぎ17ひきで10本多い状態でした。うさぎ1ひきをきじ1羽に替えると、頭の数は同じで足が2本減ります。10÷2=5ひき替えれば、17−5=12ひきになります。予想を直す方法と面積図は、同じ「1ひきあたりの差」を見ています。
全部うさぎだと考えても解けます。足は4×35=140本で、実際より140−94=46本多くなります。図では、きじの列に2こずつ欠けた形です。46÷2=23で、今度求めたのはきじの数。わり算の後に「この横幅は何の数か」と読むことが大切です。
応用:値段の問題にも面積図を使う
りんごは1こ120円、みかんは1こ80円です。合わせて15こ買い、代金は1520円でした。りんごは何こ買ったでしょうか。 このページの買い物の値段は、練習のための作り話です。
共通する代金と、値段の差を分ける
10円玉1枚を図の1こ分にすると、みかんは8枚、りんごは12枚の高さになります。横の1列は果物1こです。
全部みかんなら80×15=1200円。まず、どの列にも80円分を置きます。本当の代金との差は1520−1200=320円、10円玉32枚分です。

ここで「上に足す高さは何円分?」と尋ねます。どの果物にも下の80円分があるので、りんごの列に足すのは120−80=40円分、10円玉4枚分です。

買い物問題の答えと確かめ(答えまで書いてあります)
残りを4枚ずつ積むと32÷4=8列。円で計算しても320÷40=8です。はみ出すのは高いりんごの列なので、りんご8こ、みかん7こです。

個数は8+7=15。代金は120×8=960、80×7=560、960+560=1520円で合います。320を120でわるとわりきれません。80でわると4になりますが、りんご4こ・みかん11こでは1360円です。計算の結果だけで決めず、図の高さともとの条件を確かめます。
動かして見る:10円玉で共通する分と差を分ける
練習問題と発展
紙に図をかき、「共通する分」「残り」「1つあたりの差」を書き込んでみましょう。
- ガム1こ60円、チョコ1こ90円。合わせて15こで1110円。チョコは何こ?
- 50円玉と100円玉が合わせて20枚で1450円。100円玉は何枚?
- プリン1こ90円、ケーキ1こ150円。合わせて12こで1500円。プリンは何こ?
- きじ(足2本)とうさぎ(足4本)が、頭8・足22本のかごにいます。きじは何羽? 全部うさぎから考えてみましょう。
練習問題の解答(答えまで書いてあります)
- 全部ガムなら900円。残り210円を差の30円でわり、チョコ7こ、ガム8こ。確かめ:90×7+60×8=1110。
- 全部50円玉なら1000円。残り450円を差の50円でわり、100円玉9枚、50円玉11枚。確かめ:100×9+50×11=1450。
- 全部ケーキなら1800円。欠けた300円を差の60円でわり、プリン5こ、ケーキ7こ。確かめ:90×5+150×7=1500。全部プリンから始めると、はみ出す列はケーキの数です。問われた方を読み直します。
- 全部うさぎなら32本。欠けた10本を差の2本でわり、きじ5羽、うさぎ3びき。確かめ:2×5+4×3=22。
発展問題:じゃんけんで階段を動く
勝つと3段上がり、負けると1段下がります。あいこを数えず20回行い、スタートより36段上にいました。勝ったのは何回でしょうか。
発展問題の解答(答えまで書いてあります)
全部勝ちなら3×20=60段で、24段多くなります。勝ちを負けに替えると、上がるはずの3段がなくなり、さらに1段下がるので、差は4段。24÷4=6回が負け、勝ちは14回です。確かめ:3×14−6=36。「全部同じ」からの変化を見る考えは共通しています。

保護者・先生へ:答えを言う前の手助け
行き詰まったら、順に「どの動物にもある足は何本?」「残りはどちらに置ける?」「上に足すのは1列に何こ?」と、一度に1つだけ尋ねてください。図を指して説明できた所や、考え直した所を聞き、速さを評価の中心にしません。
予想を直している子には、1ひき替えたときの差を聞きます。面積図でうまく考えられた子には、果物でも上の高さが差になる理由を尋ねてみてください。
使うのは、かけ算・ひき算・わり算と、長方形を分けて見る考えです。日本の学習指導要領では、長方形の面積は第4学年の内容です。まだ習っていなければ、積み木を数えて進められます。「小学4年生・上級」はこのシリーズの目安です。
よくある問い
つるかめ算の面積図では、縦と横は何を表しますか?
縦は1つあたりの足の数や値段、横は動物や品物の数です。この図の面積は、積み木や10円玉の合計を表します。図に単位を書き、横の1列が何に当たるかも確かめましょう。
なぜ、残りをうさぎの足の本数でわらないのですか?
下の長方形に、うさぎの足も共通する分を入れているからです。残りはそこから増える分なので、わる数は足の本数の差です。買い物でも、共通する代金を引いた後は値段の差を使います。
図で求めた数を、そのまま答えてよいですか?
まず、その横幅がどちらの数かを読みます。少ない方でそろえた図のはみ出しは、多い方の数です。多い方でそろえた図の欠けは、少ない方の数です。問題が尋ねる方と一致しているかを確かめて答えます。
Web教材「なぞのかご」で動かして見る
Web教材「なぞのかご」を開く。回のページでは「試す」の欄からも使えます。
「小さいかごで ためす」で動物をタップして入れ替え、「うさぎを右にまとめる」を押すと、共通する分と、はみ出した分を見比べられます。大きいかごでは、ヒントを順に開き、自分で残りを積んでみてください。
その後は「ほかのなぞ」の買い物問題へ。「チャレンジ」では安い方の数を尋ねるので、図で出た数を読み直す練習になります。「なぞをつくる」では頭と足の数を決め、作れるかごかどうかも試せます。
ショート
出典
動画とこのページで使った事実・数字の出どころです。
- Project Gutenberg『孫子算經』eBook #24038(巻下第31問の問題文と答え。動物と数は原題のまま、問いをうさぎ中心にした日本語文はタメラボによるものです。本文は米国でパブリックドメイン)gutenberg.org/ebooks/24038
- 国立国会図書館デジタルコレクション『孫子算経』(李淳風等注、沢村写本堂、1934年。31コマ目右の面の問題と答え。ページ画像はパブリックドメイン。写しの「下有九十四足」はGutenberg版より「有」が1字多いものの、意味は同じです)dl.ndl.go.jp/pid/1147712
- 筑波大学・数学の歴史の講義資料(『孫子算経』の成立時期と巻下第31題の確認。資料の画像は転載していません)math-info.criced.tsukuba.ac.jp/museum/wisdom_of_math/copy_of_ppt_Jochi…
- Wikipedia「Sunzi Suanjing」(成立時期と英語の書名の確認。本文・画像は転載していません)en.wikipedia.org/wiki/Sunzi_Suanjing
- Wikipedia「鶴亀算」(日本語の呼び名の確認。本文・画像は転載していません)ja.wikipedia.org/wiki/鶴亀算
- 文部科学省『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編』(第3学年A(3)(4)、第4学年A(3)・B(4)。特に冊子208〜211頁の面積の内容を参照。つるかめ算自体を学校で必ず習うという意味ではありません)mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail…
- All About・宮本毅「つるかめ算や旅人算などの特殊算は時代遅れ? 思考力を問う入試問題」(「面積図」という呼び名の確認。図や本文は転載していません)allabout.co.jp/gm/gc/488973
- Z-Image-Turboの配布元(既存の絵の制作に使用したモデル(Apache-2.0)。問題文の読み、学習用の図・動き・練習問題と値段設定はタメラボが制作。主問題は上記古典に基づき、独自作問とは区別しています)huggingface.co/Tongyi-MAI/Z-Image-Turbo
- FLUX.2-klein-4Bの配布元(既存の絵の制作に使用したモデル(Apache-2.0)。図中の字体はM PLUS Rounded 1c(SIL OFL 1.1)。追加図はタメラボが作図)huggingface.co/black-forest-labs/FLUX.2-klein-4B
- Irodori-TTSの配布元(動く図の日本語の声(MIT)。音楽は「のんびり行こうよ」zmino(OpenTracks、素材記録では商用利用可・クレジット任意)、効果音はタメラボの自作。既存クリップを使用しています)huggingface.co/Aratako/Irodori-TTS-v4.1-Small
声・音・絵
- 声:Irodori-TTS/音楽:「のんびり行こうよ」zmino、「パステルハウス」かずち(OpenTracks)/効果音:タメラボ/字体:M PLUS Rounded 1c(SIL OFL 1.1)/絵・問題・動き:タメラボ
