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地図が動く#03

アラル海は、なぜ消えた?|地図が動く #03

答え

  1. 川の水が1950年代から農地への灌漑に引かれて湖へ届く水が減り、出口がなくても蒸発は続くので水位が下がりました。
  2. 昔のアラル海(1960年ごろ約68,000km²)は、琵琶湖の約100倍の面積でした。
  3. 北は2005年完成のコクアラル・ダムなどで水位が上がり、南の東側の浅い水域は年によって干上がったり戻ったりします。

動画

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解説

アラル海の水辺は、なぜ大きく変わったのでしょう。衛星画像から作った地図で2000年から2026年までをたどり、二つの川から畑へ水を引く灌漑、かつての港町と塩への影響、北アラル海の部分的な回復を見ていきます。

地図の元になった値

項目時点値・出来事根拠資料
昔のアラル海の面積1960年ごろ約68,000 km²(概算)USGS EROS「Aral Sea, Kazakhstan and Uzbekistan」
琵琶湖の面積公表値669.26 km²滋賀県「琵琶湖の概要」
二つの面積の比昔のアラル海と琵琶湖の公表値を比較約100倍(概算)。68,000 ÷ 669.26を丸めた値上の2資料・企画書の計算
湖へ注ぐ主な川北/南シルダリヤ川は北へ、アムダリヤ川は南へ注ぐUSGS EROS「Aral Sea, Kazakhstan and Uzbekistan」
農地への取水事業1950年代から旧ソ連が綿花などを育てるために川の水を農地へ引く事業を拡大NASA「The Aral Sea, Before the Streams Ran Dry」
現在のコクアラル・ダム2005年完成。北に水を保ち、南への放流を調整USGS EROS「Kok-Aral Dam」

面積の比較であり、水の量の比較ではありません。年ごとの湖面積や減少率は、今回の材料にはありません。

使用した地図・衛星画像

水域概略図の元画像はNASA EOSDIS GIBS/Terra MODISのBands 7-2-1(自然の色とは異なる波長の組み合わせ)です。採用した日付は次の13日です。

画像の指定日地図での使い方
2000-08-25早送り・比較の基準となる水辺
2001-08-15早送り
2002-08-20早送り
2003-08-12早送り
2004-08-16早送り
2005-08-12早送り
2006-08-15早送り
2007-08-16早送り
2014-08-19南アラル海の東側が干上がった時の比較
2022-08-20終盤の早送り
2025-08-20終盤の早送り
2026-08-20夏の姿
2026-10-12秋の姿

着色した水域概略図はタメラボが作成しました。精密な湖岸や面積を測るための図ではなく、青は塩分や水質の値を示しません。間の年の水辺を推測で足してはいません。

地図・画像いつの資料か配布元読み方・注意
アラル海の白黒画像(KH-5)1964-08-22U.S. Air Force/USGS EROS、NASA Earth Observatory経由取水事業はすでに開始。原図の向きのまま表示
初期の全景1977年・1987年・1998〜1999年USGS EROSそれぞれ複数日の画像を合成
アラリスク(かつての港町)1964-08-22・2015年8〜9月USGS EROS2015年は複数日の合成
アムダリヤ沿いの農地2021-07-24USGS EROS後年の実例。1950年代の農地分布ではない
北の春の比較2005-04-15・2007-04-14NASA GIBS(水域概略図の元)/NASA Earth Observatory(原画像)同じ範囲・同じ縮尺で湖岸の広がりを比較
南の東側の変動2009-08-16・2010-08-26・2014-08-19・2018-08-21NASA GIBS/Terra MODISTrue Color(自然の色に近い画像)。2000年の水辺を目印に重ねる
年間の水域分類2024年EC JRC/Google、Global Surface Water v1.5 Seasonality濃青=通年、淡青=季節の水域。無着色=水域以外または観測不足
最後の日別画像2026-10-12を指定NASA GIBS/Terra MODISTrue Color。取得時点で北と南の西側に水が見える
国境・川などの位置図現代の国境。元データの年は材料に記録なしNatural Earth川は概略。歴史場面でも現代の国境を表示
地形の陰影元の標高資料の観測年は材料に記録なしAWS Terrain Tiles(Mapzen/Tilezen)複数の標高資料を使用。湖岸の観測資料とは別

2024年の分類は一年の観測のまとめで、一日の湖岸ではありません。2026年8月と10月も季節が違うため、同じ条件の面積比較には使いません。日別画像はライブ映像ではなく、全画素が同じ瞬間の撮影だと保証するものでもありません。

この回で分かる事

  • 灌漑(畑へ水を引くこと)で湖へ届く川の水が減り、蒸発が続いたことが、長い縮小の大きな原因でした。
  • 水が減って湖の塩分が濃くなることと、湖底から飛ぶ塩を含むちりが畑の土に影響する塩害は、別の場所の問題です。
  • 北はダムなどで部分的に回復しましたが、南の東側は年や季節で変動し、湖全体が元どおりになったわけではありません。

ショート

出典

動画とこのページで使った事実・数字の出どころです。

  1. NASA EOSDIS GIBS(・)nasa-gibs.github.io/gibs-api-docs/access-basics
  2. NASA GIBS WMS利用方法(— 日別画像、Terra MODIS Corrected Reflectance(Bands 7-2-1/True Color)。取得・確認日:2026-10-12。水域概略図・重ねる線はタメラボ作成)nasa-gibs.github.io/gibs-api-docs/gis-usage
  3. NASA Earth Observatory「World of Change: Shrinking Aral Sea」(— 画像日付の選定と縮小の経過。確認日:2026-10-12)science.nasa.gov/earth/earth-observatory/world-of-change…
  4. NASA Earth Observatory「The Aral Sea, Before the Streams Ran Dry」(— 取水の背景・1964年画像。画像:U.S. Air Force KH-5 9066A/USGS EROS。確認日:2026-10-12。画像の個別取得日は材料に記録なし)science.nasa.gov/earth/earth-observatory/the-aral-sea-be…
  5. USGS EROS「Aral Sea, Kazakhstan and Uzbekistan」(— 内陸湖と二つの川、昔の面積、初期の合成画像。確認日:2026-10-12。画像の個別取得日は材料に記録なし)eros.usgs.gov/earthshots/aral-sea-kazakhstan-and-uzbe…
  6. NASA Earth Observatory「North Aral Sea Recovery」(— 北の春の比較とかつての港。原画像:NASA/Jesse Allen, MODIS Rapid Response Team, GSFC。確認日:2026-10-12。画像の個別取得日は材料に記録なし)science.nasa.gov/earth/earth-observatory/north-aral-sea-…
  7. USGS EROS「Aralsk」(— 町の比較画像と漁業への影響。確認日:2026-10-12。画像の個別取得日は材料に記録なし)eros.usgs.gov/earthshots/aralsk
  8. USGS EROS「Where Is the Water?」(— 2021-07-24の農地画像。確認日:2026-10-12。画像の個別取得日は材料に記録なし)eros.usgs.gov/earthshots/where-the-water
  9. USGS EROS「Kok-Aral Dam」(・)eros.usgs.gov/earthshots/kok-aral-dam
  10. USGS EROS「North Aral Sea」(— ダムの完成年と北の回復。確認日:2026-10-12)eros.usgs.gov/earthshots/north-aral-sea
  11. NASA Earth Observatory「The Aral Sea Loses Its Eastern Lobe」(・)science.nasa.gov/earth/earth-observatory/the-aral-sea-lo…
  12. NASA Earth Observatory「The Variable Sea」(・)science.nasa.gov/earth/earth-observatory/the-variable-se…
  13. USGS EROS「South Aral Sea」(— 南の東側の干上がり・変動と塩分の影響。確認日:2026-10-12)eros.usgs.gov/earthshots/south-aral-sea
  14. EC JRC/Google「Global Surface Water:データと利用条件」(・)global-surface-water.appspot.com/download
  15. JRC「FAQ」(— Source: EC JRC/Google。v1.5、Seasonality 2024。取得・確認日:2026-10-12。地図用タイルを使用し、面積集計には使用していません。配置:タメラボ。引用論文:)global-surface-water.appspot.com/faq
  16. Pekel, Cottam, Gorelick, Belward(2016) (, High-resolution mapping of global surface water and its long-term changes, Nature 540, 418–422)doi.org/10.1038/nature20584
  17. Natural Earth(— 国・陸・湖・川の基図。Tom Patterson, Nathaniel Vaughn Kelso and contributors。パブリックドメイン。元データの取得日:材料に記録なし(既存の素材棚を使用)。利用条件の確認記録:2026-10-12。配色・配置:タメラボ)naturalearthdata.com/about/terms-of-use
  18. AWS Terrain Tiles(・)s3.amazonaws.com/elevation-tiles-prod/terrarium
  19. Mapzen/Tilezenの出典一覧(— 地形の陰影。SRTM・GMTED2010:USGS、ETOPO1:NOAAほか。取得日の個別記録なし。2026-10-12の制作報告に追加使用の記載があります)github.com/tilezen/joerd/blob/master/docs/attribut…
  20. NOAA「Why is the ocean salty, but rivers flowing into it are not?」(・)oceanservice.noaa.gov/facts/riversnotsalty.html
  21. USGS「Salinity and hydrology of closed lakes」(— 川が運ぶ塩と、出口のない湖で塩分が濃くなる仕組み。確認日:2026-10-12)pubs.usgs.gov/publication/pp412
  22. 滋賀県「琵琶湖の概要」(— 琵琶湖の公表面積669.26 km²。確認日:2026-10-12)pref.shiga.lg.jp/de51/2878.html
  23. カザフスタン政府「Independence day」(・)gov.kz/memleket/entities/almaty-depfin/press/e…
  24. ウズベキスタン外務省「History」(— 当時の地域がソ連の一部だった背景。確認日:2026-10-12)gov.uz/en/mfa/sections/view/14508
  25. NASA画像利用指針(・)nasa.gov/nasa-brand-center/images-and-media
  26. USGS Copyrights and Credits(— 画像の利用条件。確認日:2026-10-12。画像は切り抜き・縮小・比較用の配置をしています。NASAが本作品の説明を確認・承認したものではありません)usgs.gov/information-policies-and-instructions/c…

声・音・絵

  • 声: Irodori-TTS(合成音声)/BGM: 伊藤ケイスケ「近代的日本空間」、こばっと「あの日見た景色」(OpenTracks)

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