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逆再生ファクトリー#05

青色LEDの材料はどこから?「もと」をたどったら、まさかの色の大地に着いた|逆再生ファクトリー #05

答え

  1. 青色LEDの光は、原子およそ20個ぶんの厚さの窒化ガリウムの層から出ています。
  2. ガリウムはアルミニウムのそっくりさんで、アルミの原料ボーキサイトから主に取れます。
  3. 赤い土1kgはチップ1万粒以上ぶんでも、取り出されたのは約4%(平均50ppmで計算)です。

ほかの言い方青色LEDの材料LEDは何からできているガリウムの原料窒化ガリウムの作り方

動画

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解説

青色LEDの材料は、どこから来るのでしょうか。夜の街を飾る青い光の1粒から、チップ、結晶を育てる炉、金属ガリウム、アルミナ工場、海の道、赤い鉱山へと、時間を巻き戻してたどります。

道すじ

場所そこで何をしているか時代・年代
夜明け前の街青色LEDが光っている現在
チップを作る工場丸いサファイアの板(ウェハー)を、0.3mm角ほどのチップに切り分ける(大きさは一例)現在
結晶を育てる炉約1000℃のサファイアの上に、トリメチルガリウムとアンモニアで窒化ガリウムの層を育てる。光る層はインジウムを混ぜ、低めの温度で。1枚は原子およそ20個ぶんの厚さ高輝度の青色LEDの実用化は1993年(科学技術振興機構〔JST〕)
ガリウムの精製99.99%のガリウムを、電子部品向けに高い純度へ。研究では、結晶にする方法などで99.99999%超まで(一例。工場の方法は会社ごとに違う)現在
アルミナ工場(ガリウムを取り出す設備のある工場)ボーキサイトを熱い強いアルカリの液(苛性ソーダ)にとかし、白いアルミナを取り出す。残った液から樹脂と電気分解でガリウムを取り出すバイヤー法の大規模な生産は1890年代から(国際アルミニウム協会〔IAI〕)
海の道(一例:ギニア → 中国)船でボーキサイトを運ぶ(約2万1000km・計算の目安)2024年、中国の輸入の約7割がギニアから
ギニアの鉱山(一例)露天掘りで赤いボーキサイトを掘る(赤くないボーキサイトもある)衛星写真は2026年1月
地下の、岩と赤い土のさかい目熱帯の雨が岩の流れやすい物を運び去り、アルミニウム・鉄・ガリウムが残る大きな鉱床には、1000万年をこえる時間か、強い風化の時代の重なりが要ると考えられる

道すじは一例です。ガリウムの多くはボーキサイトから取れますが、亜鉛の鉱石などから取れる物もあり、このLEDのガリウムがどこから来たかは分かりません。

数字の詳しさ:チップ1個のガリウムは約1.8µg(窒化ガリウムの厚さ4µmの場合。3〜8µmでは1.4〜3.7µg)。チップ1粒ぶんの赤い土は0.03〜0.07gです。計算の条件は、チップ0.3mm角・密度6.1g/cm³・平均50ppm・全部を取り出せたとして、です。取り出された割合は、平均を40〜80ppmと置くと2.5〜5.0%になります。

この回で分かる事

  • 青色LEDの光は、窒化ガリウムにインジウムを混ぜた、原子およそ20個ぶんの厚さの層から出ていること
  • ガリウムは周期表でアルミニウムのすぐ下の「そっくりさん」なので、アルミの原料のボーキサイトに入っており、アルミナ工場で取り出されていること(亜鉛の鉱石から取れる物もある)
  • 赤い土1kgのガリウムは、計算上LEDチップ1万粒以上に入っている量だが、世界で掘ったボーキサイトのガリウムのうち取り出されたのは約4%(平均50ppmとして計算)であること

ショート

出典

動画とこのページで使った事実・数字の出どころです。

参考にした文献

  1. USGS Mineral Commodity Summaries 2025「Gallium」
  2. Siming Lu ほか「Research on the Source and Recovery Methods of Gallium」ICSOBA 2023
  3. 米国特許 US6533838B1(2003年)/Kefeng Pan ほか Materials 2018, 11, 2308
  4. ロイター(Baird Maritime 掲載、2025年7月1日)「Guinea bauxite shipments hit record on strong China demand」
  5. スミソニアン Human Origins「Homo sapiens」
  6. Semiconductor Engineering「Phosphors Turn Blue LED Lights White」(Katherine Derbyshire、2013年)
  7. Simon Cotton「Trimethylgallium」Molecule of the Month(2023年2月、ブリストル大学化学科のサイト)

リンク

  1. ノーベル財団「2014年ノーベル物理学賞」プレスリリース(2014年)nobelprize.org/prizes/physics/2014/press-release
  2. ノーベル財団 一般向け解説・詳しい解説(2014年)/天野浩・中村修二 ノーベル講演nobelprize.org/prizes/physics/2014/summary
  3. 科学技術振興機構(JST)「戦略的創造研究推進事業などの成果」jst.go.jp/seika/bt47-48.html
  4. Lai Wang ほか arXiv:1611.07972(市販の青色LEDチップの測定)arxiv.org/abs/1611.07972
  5. USGS Mineral Commodity Summaries 2026「Gallium」「Bauxite and Alumina」「Indium」「Nitrogen (Fixed)—Ammonia」pubs.usgs.gov/periodicals/mcs2026/mcs2026-gallium.pdf
  6. Foley, Jaskula, Kimball, Schulte(2017)「Gallium」USGS Professional Paper 1802-Hpubs.usgs.gov/pp/1802/h/pp1802h.pdf
  7. 国際アルミニウム協会(IAI)「Sustainable Bauxite Residue Management Guidance」(2022年)ほかinternational-aluminium.org

声・音・絵

  • 声:合成音声(語り手)
  • BGM(OpenTracks):「時計図書館」MATSU/「考え中」鷹尾まさき/「海底の神殿」KK
  • 効果音:Freesound CC0/Kenney

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