いくら免除されるのか
2026年度(2026年4月〜2027年3月)の国民年金保険料は月額17,920円です。免除の対象になった月は、この金額を納めなくてよくなります。
- 最大12か月ぶんで、単純計算なら約21万円です。
- ただし「17,920円 × 12か月」と計算すると正確ではありません。 保険料の額は年度ごとに変わるので、免除期間が2027年度にまたがれば、その年度の額が適用されます。
- 免除期間中でも、付加保険料(月400円)は希望すれば納められます。
誰が対象か
対象は国民年金第1号被保険者です。自営業者、農業者、学生、無職の人などが該当します。フリーランスだけの制度ではありません。
子については、1歳になるまでの子を養育していることが基本で、次の2つを両方満たす必要があります。
- 親子関係が続いていること
- 子と同じ住所であること
実子と養子のほか、特別養子縁組の監護期間中の子や、養子縁組里親に委託された子も含まれます。
所得の制限はありません。休業している必要もありません。 働きながらでも対象です。
対象にならない人
- 会社員・公務員(第2号被保険者) — 厚生年金の側に別の免除があります
- 扶養に入っている配偶者(第3号被保険者) — そもそも保険料を自分で払っていません
- 任意加入被保険者
何か月免除されるのか — 父と母で違います
ここは間違えやすいところです。母親には先に「産前産後期間の免除」があるため、育児免除の始まる位置が違います。
| 免除される期間 | |
|---|---|
| 父親・養父母・産前産後免除のない母親 | 子を養育することになった日の月から、1歳の誕生日の前月まで(最大12か月) |
| 産前産後免除を受けた母親 | その産前産後免除が終わったあとの9か月 |
たとえば2027年5月1日生まれの子なら、父親は2027年5月から2028年4月までの12か月です。
制度が始まる前から子を育てている場合は、2026年10月1日の時点でまだ対象期間内であれば、2026年10月分から残りの期間だけが対象になります。さかのぼって免除されるわけではありません。
届出が要る人と、要らない人
原則は届出制です。「該当すれば自動」ではありません。
届出が要らない数少ない例外
産前産後免除を受けた母親のうち、次のすべてに当てはまる場合だけ、届出が不要です。
- 産前産後免除の期間が2026年9月以降に終わる
- 基礎年金番号とマイナンバーが結びついている
- 情報連携で、親子関係と同一世帯を日本年金機構が確認できる
この場合は「国民年金保険料育児免除該当通知書」が届きます。
父親・養父母、そして産前産後免除の届出をしていない母親は、この自動処理の対象外です。 自分で出す必要があります。
出し方
- 窓口・郵送 — 住民登録のある市区町村の国民年金担当へ。届書の名称は「国民年金 産前産後免除該当届/育児免除該当・終了届」です
- 電子申請 — 2026年10月1日からマイナポータルで可能
- 様式と記入例 — 日本年金機構のページで2026年10月1日から配布されます
紙で出す場合はマイナンバーか基礎年金番号を確認できる書類が要ります。戸籍や住民票は原則として添付不要ですが、外国籍の方、特別養子縁組、里親委託などの場合は証明書類を求められます。電子申請ならマイナンバーの確認書類も要りません。
将来の年金は減りません — 「免除」という言葉に惑わされないでください
これがこの制度の要点です。
国民年金法第5条第1項は「保険料納付済期間」を定義していますが、育児免除で納付不要になった期間は、その定義そのものに含められています。 つまり法律上、全額を納めた期間として扱われます。通常の「全額免除」とは違う扱いです。
厚生労働省も「保険料を納めた期間とみなされ、満額の基礎年金が保障される」と説明しています。
似た制度と並べると、違いがはっきりします。
| 制度 | 老齢基礎年金への反映 |
|---|---|
| 育児免除(2026年10月〜) | 納付済期間として満額反映 |
| 産前産後期間の免除 | 納付したものとして満額反映 |
| 学生納付特例 | 受給資格期間には入るが、追納しないと年金額に反映されない |
| 法定免除 | 追納しない場合、2009年4月以後の全額免除相当は原則2分の1 |
「免除」という同じ言葉でも、返ってくるものがまるで違います。 学生納付特例を「免除」と同じつもりで放置して、あとから年金額が足りないと気づく人がいるのは、この違いが見えないからです。
すでに別の免除を受けている人へ
学生納付特例、法定免除、通常の保険料免除を受けている期間でも、育児免除の要件を満たすなら届け出てください。
育児免除として扱われれば、その期間は満額反映になります。同じ「保険料を払っていない期間」でも、どの制度の期間として記録されるかで、将来受け取る額が変わります。
また、すでに保険料を納めてしまった月について育児免除が成立した場合は、その保険料は充当か還付になります。 払い損にはなりません。
いま何をすればいいか
- 2026年10月より前に子が生まれる予定の人 — 産前産後免除の届出を先に済ませておくと、母親は育児免除が自動になる可能性があります
- すでに1歳未満の子を育てている第1号被保険者 — 2026年10月1日以降に届け出れば、10月分から対象になります。9月中にできることはありません
- 父親で、自分は関係ないと思っていた人 — 対象です。母親とは別に、自分で届け出てください
出典
この記事は、次の公的資料の記載だけを根拠にしています。個人の解説記事は使っていません。
- 日本年金機構「国民年金保険料の育児免除制度」(2026年9月8日更新)— 対象者の要件、期間、届出、届出不要の例外
- 厚生労働省「育児期間の国民年金保険料免除制度」— 制度の説明、満額の基礎年金が保障される旨
- 子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律(令和6年法律第47号、2024年6月12日公布)第9条 — 国民年金法第88条の3の新設。附則第1条第6号ロにより2026年10月1日施行
- 国民年金法(e-Gov法令検索)第5条第1項・第7条・第88条の3 — 保険料納付済期間の定義、第1号被保険者の範囲、免除の本体規定
- 日本年金機構「国民年金保険料」— 令和8年度の保険料月額17,920円
- 日本年金機構「産前産後期間の免除制度」「学生納付特例制度」「法定免除制度」— 比較表の各制度
- 厚生労働省「国民年金システム標準仕様書・帳票レイアウト」— 届書の名称
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